平凡社 世界大百科事典

カスザメ

ツノザメ目カスザメ科の海産魚。英名は胸びれの形からmonkfish(修道士の服装に似た形の魚)またはangel shark(天使の翼のように胸びれの広がったサメ)という。カスザメ科Squatinidaeには日本近海にカスザメとコロザメS.nebulosaの2種がいるが,カスザメでは胸びれの外角が直角よりやや大きめであるが,コロザメでは120度以上開くことで区別される。本州中部以南の浅海に生活する。体がひらべったく,胸びれが大きいことなどサメとエイの中間形を呈するが,鰓孔(えらあな)の一部が体側に開いていること,頭部と胸びれの間に切れ込みがあることなどから,サメの仲間に分類される。全長2mになる。砂地で生活し,ときには海底の砂に埋もれていることがある。卵胎生のサメで,3~6月に1産10尾前後の胎児を生む。底生の小型魚類,貝類,ゴカイなどの小動物を餌とする。皮膚がざらざらと粗雑なので,滑り止めとして刀剣の柄に巻かれたり,やすりになったりする。底引網などで漁獲され,肉は練製品の原料となる。

谷内 透