平凡社 世界大百科事典

クリーブランド(Stephen Grover Cleveland)

アメリカ合衆国第22代(在職1885-89)および第24代(1893-97)大統領。ニューヨーク州バッファロー市長(1882-83),ニューヨーク州知事(1883-85)時代の市政改革,反ボス政治の姿勢を買われ1884年,南北戦争後初の民主党大統領に当選。関税問題などが災いし88年再選を阻止される。92年に再選されたが翌年恐慌に見舞われる。金本位制維持の立場から,シャーマン銀購入法を撤廃(1893)する一方,公約の関税引下げを試みたが,保護関税派の反対にあい果たせず,インフレ策を求める民主党員らの不満を買う。94年のプルマン・ストライキではスト禁止命令を発する一方,連邦軍を派遣してストを鎮圧したことから,労働者の反発を招く。恐慌および党内の分裂の責任を問われ,96年にその政治生命を終える。外交面ではベネズエラ国境紛争に介入しイギリスにモンロー主義を再確認させる。ハワイ併合に反対する一方,キューバの内乱に中立の態度をとり,一貫して反帝国主義者の立場をとった。

松田 武