平凡社 世界大百科事典

キタムラサキウニ

ウニ綱オオバフンウニ科に属する棘皮(きよくひ)動物。相模湾以北に分布し,北海道の沿岸には多産する。殻の大きさは大きなもので直径10cm,高さ5cmほどになり,半球形で下面は平たい。とげは暗紫色,または暗褐色で,長さ1.5~3cm,表面に細かい縦線がある。歩帯の各板には通常6対,まれに5対の管足孔が斜めに弧を描いて並ぶ。管足には両端が二叉になった少数の弧状骨片がある。雌雄異体。9~11月が生殖時期で,過熟前の生殖巣は生食や塩辛に加工される。海藻を食べるのでコンブやワカメなどの有用海藻に害を与えるが,食用としての経済価値が高い。近縁種のムラサキウニAnthocidaris crassispinaは本州中部以南に分布し,管足の骨片が三叉状,または棒状であることでキタムラサキウニと区別される。生殖時期は6~8月で,生殖巣は食用にされる。

今島 実