平凡社 世界大百科事典

燧人

中国古代伝説上の帝王,三皇の一人。太古,人々は火を知らず,食物を生で食べ,病気が絶えなかった。そのとき聖人が出,燧(火打石)で火を得て,食物を調理することを教えた。人々はその人を天子とし,燧人氏とよんだ。燧人の伝説が書物に登場するのは戦国末であるが,火が神聖なものであり,食物の調理が文化の第一歩であることを反映した物語は,ずっと古い時代から人々の間に伝えられていたと考えられる。→三皇五帝

伊藤 道治