平凡社 世界大百科事典

スブキー(Subkī)

エジプトの著述家。学者の名門スブキー家に生まれる。父がシリアの大カーディーに任命されてダマスクスに移り住む。才能と環境に恵まれ,若くしてファトワー(法勧告)と教授の資格を取得,書記官(カーティブ),説教師,教授,カーディーなどを兼任する。イスラムによる国家改造思想の持主であったうえに,イブン・タイミーヤ一派の反感やライバルの嫉妬をうけた。ために一時,不遇におちいったこともある。主著に大人名辞典《シャーフィイー派列伝》と階級別職業別改革規範を示した《払災招福の書》がある。疫病のためダマスクスで没する。

飯森 嘉助