平凡社 世界大百科事典

スハルト(Suharto)

インドネシア共和国の政治家,大統領。国軍(陸,海,空,警察4軍)の総司令官。イスラム教徒。ジョクジャカルタ市西方のゴデアン村の中農の出身で,1940年以来職業軍人としての経歴をたどった。第2次大戦前はオランダ領東インド軍,日本軍政中は九月三〇日事件)の制圧とこれに続く共産党の鎮圧の過程で,陸軍内の指導者として急激に頭角を現し,66年3月以降は実質的に政権を掌握した。67年3月には大統領代行に就任,翌68年3月には,スカルノに続く共和国第2代大統領に正式に就任した。その後,73年,78年,83年,88年,93年にひき続き大統領に選出された。スカルノ体制(旧秩序)に代わる〈新秩序〉の創出を掲げ,経済開発政策を推進。石油を中心とする外貨収入を経済的基盤とし,陸軍を中心とする国軍の支持を政治的基盤としたが,98年大統領7選を果たしたあと,民主化運動の高まりに押されて退陣した。

土屋 健治