平凡社 世界大百科事典

スーパーリアリズム

極端な写実的描写によって日常卑近の光景を,ストップ・モーションのように表現しようとする絵画および彫刻のこと。〈超写実主義〉の意。ハイパーリアリズムHyperrealism,写真的写実主義Photorealismとも呼ばれる。1960年代末から70年代前半にかけて,おもにアメリカとイギリスで制作された。主要作家はクローズChuck Close(1940- ),モーリーMalcolm Morley(1931- ),ゴーイングズRalph Goings(1928- ),デービスJohn Davies(1946- ),デ・アンドレアJohn de Andrea(1941- ),ハンソンDuane Hanson(1925-96)ら。スーパーリアリズムは,細密描写,魔術的リアリズムなど時代を問わず存在してきた極端な写実主義の一つとみなすこともできる。しかし,これは決して自然主義ではなく,極度の写実表現を意図的に採用したもので,逆説的に写実主義の虚構性を露呈させている。

千葉 成夫