平凡社 世界大百科事典

スッピルリウマ(Suppiluliuma)

ヒッタイト新王国の第5代の王。在位,前1380ころ-前1340年ころ。生涯を戦陣の間に過ごし,新王国を古代オリエントの列強の一つに並ぶに至らしめ,自らも〈大王〉の称号を用いた。即位したのち,南東方の隣国ミタンニ王国を攻め,またシリアに進出したが,小アジア北辺の山岳地から本国を騒がせた蛮族征討のため帰郷。ひとまずこの方面を平定ののち,ミタンニの内紛に乗じてこの国を保護下に置き,さらにユーフラテス川左岸の要地カルガミス(旧約のカルケミシュ)を版図に加えたが,ふたたび反乱をおこした北方の蛮族を攻伐中,疫病のため陣没した。なお同名の王にもう一人,新王国の最後の王となったスッピルリウマ2世がいる。

岸本 通夫