平凡社 世界大百科事典

太陽熱発電

太陽エネルギーを用いて高温高圧の蒸気を発生させ,蒸気タービンをまわして発電機を駆動する発電方式。通常の火力発電において石炭や石油を燃焼するかわりに太陽エネルギーを用いる。太陽光を反射鏡やレンズを用いて集中させ高温の熱エネルギーに変換するが,この集光・集熱の方式によって分散形(曲面集光形)と集中形(タワー集光形)に大別される。分散形は放物面などの曲面鏡を多数分散して配置し,それぞれの場所で熱に変換し,熱エネルギーを1ヵ所に集めてきて発電する。集中形は多数の平面鏡を用いて高いタワーの頂点に太陽光を集光し,1ヵ所で熱に変換する方式である。後者の場合,平面鏡を太陽の運行に合わせて回転し太陽光をつねにタワーの頂点に反射する平面鏡と追尾機構などからなる装置一式(ヘリオスタット)が必要となる。

 日本では香川県仁尾町(現,三豊市)に両方式のパイロットプラントが1980年に建設され,数年間運転研究が行われた。アメリカでは商業用の発電所が建設されている。

河野 照哉