平凡社 世界大百科事典

半田

金属接合用に使われる鑞(ろう)合金を広く〈はんだ〉と通称するが,本来は鑞合金のうち融点の低い軟鑞といわれるものを指す。〈半田〉という文字が地名によるものか人名によるものかは明らかでない。代表的なものに鉛とスズの合金がある。鉛-スズ合金は,スズ63%,182℃に共晶点のある共晶型合金である。はんだとして使用されるものはスズ10~90%の組成にわたっている。一般にスズの多いもののほうが接着性がよいが,スズの量が多いため高価である。スズ90%のはんだは鉛が少なく毒性が低いので食料品に接するものなどに,スズ60%の共晶点に近いものは精密なものに,スズ50%のものは一般用に用いられる。はんだ付けの際には接合をよくするために金属のさびや汚れを落とし,酸化をさけるため接合面を塩化アンモニウムや松やになどの溶剤(フラックス)でおおって行う。はんだは広い範囲の金属の接合が可能であるが,アルミニウムとその合金の接合は困難なので,この場合は亜鉛合金鑞などが使用される。→鑞付

大久保 忠恒