平凡社 世界大百科事典

溶解度

一定の温度,圧力のもとで,溶質が溶媒に溶解する限度,すなわちヘンリーの法則)。また温度が上がると減るのが普通である。気体の溶解度は,気体成分の分圧が760mmHgのとき,単位体積の溶媒に溶解する気体の体積(0℃,760mmHgに換算)で表す(ブンゼンの吸収係数)。圧力による影響が少ない場合には,一定量の純粋な溶媒中に,ある温度で,溶ける溶質の量で溶解度を表す。たとえば塩化ナトリウムの溶解度は0℃で,100gの水に対して35.63gであり,25℃では35.92gである。固体の溶解度の温度による変化は物質によってさまざまであるが,温度が上がると増すものが多い。水に対する水酸化ナトリウムのように減るもの,塩化ナトリウムのようにあまり変化のないものもある。

 溶解度の温度変化を示すグラフを溶解度曲線という。溶質が固体の場合に,温度によってその状態が変わる(たとえば結晶水の数が変わる)とすれば溶液と平衡にある固相が変化するので,溶解度曲線は異なる物質の溶解度を一つのグラフに示すことになる。したがって曲線はなだらかな変化を示さず屈折することがある。

橋谷 卓成