平凡社 世界大百科事典

溶液重合

同じ種類の小さい分子が互いに結合して巨大な分子,すなわち高分子となる重合反応を,溶液状態で行う方法をいう。原料となる小さい分子,すなわちモノマー(単量体)を適当な溶媒に溶かし,必要に応じて重合反応の開始剤を加えて加熱する。反応が進んで高分子のポリマー(重合体)が生成してくると,反応溶液は粘くなる。これからポリマーを分離するには,それを溶かさない溶媒(非溶媒)に反応溶液を加え,重合体を沈殿させる。溶液重合では,モノマーを溶媒でうすめた状態で反応させるので,反応によって発生する熱の除去が容易で,反応の制御には便利である。しかし溶媒の回収のプロセスが必要であるので,おもに,水を媒体として使うことができない反応の場合に用いられる。生成した重合体溶液をそのまま用いる用途として,ある種の塗料,接着剤などがある。

井上 祥平