平凡社 世界大百科事典

サトウモロコシ

茎から甘汁を絞り,甘味料として昔から利用されたイネ科の一年草。ロゾク(蘆粟),ソルゴーともいう。子実を食用や飼料にするモロコシの1変種。モロコシはエチオピアを中心とする東アフリカ原産で,中国には4世紀以前に,日本には5~8世紀に伝わったらしいが,サトウモロコシはこれに伴って伝播(でんぱ)したと考えられており,世界の熱帯・温帯各地に分布している。気温15℃以上になったら播種(はしゆ)する。芽生え時は数cmの葉だが,徐々に大きな葉が伸び出し,夏には1mを越す葉がつく。茎は高さ2~4mとなり,夏から秋に頂端に穂がつき,多数の穎花(えいか)が咲く。茎は円筒形で直径2~4cm,内部は主として白色の柔組織よりなり多汁質。汁液にはショ糖および単糖類(ブドウ糖や果糖)を10~15%ほど含む。この糖液を甘味料とするが,煮つめても結晶糖を得にくい。最近はこの糖汁を発酵させ,エチルアルコールとし,エネルギー資源とする計画が注目されている。絞りかすは飼料や燃料として利用できる。また,青刈りの茎葉を飼料,あるいは細かく切ってサイロに詰めると,良質のサイレージが得られる。子実も食用,飼料,および醸造酒原料に利用される。

星川 清親
平凡社 世界大百科事典

ソルゴー

茎葉を飼料とするために,または茎から甘汁を採るために栽培されるイネ科の一年草。モロコシの1変種とされる。モロコシ(ソルガム)のうち,飼料用に栽培されるものは,子実型ソルガム(穀実用モロコシ),兼用型ソルガム,ソルゴー型ソルガムの3者に分類されるが,その中のソルゴー型ソルガムは草丈が2.4m以上で,茎は太く,多汁質で汁は甘みがあり,中生(なかて)~晩生(おくて)の品種が多い。ソルゴーは本来この品種群の中で,とくに糖分含量が多く,糖みつ,シロップなどの製造にも利用される方向に分化した変種に与えられた名称で,それを日本ではサトウモロコシ,ロゾク(蘆粟)などと呼んでおり,アメリカでもスイートソルガムsweet sorghumを指すことが多い。ただし日本では慣用的に,飼料用にするモロコシの総称としてソルゴーの名称を用いることもある。

星川 清親