平凡社 世界大百科事典

分級作用

構成粒子の大きさ(粒径)がふぞろいの固体粒子が水または空気中を沈降するとき,その粒径の違いによって沈降速度が異なるため,二つ以上の粒子群に分離されること。淘汰ともいう。一般に流体中の固体粒子の沈降速度は流体の粘性,比重ならびに粒子の大きさ,形状,比重によって規制される。分級の程度(分級度)は試料中の粒径のそろい具合で判断される。それは平均粒径からの偏差で表される。偏差が小さいほど分級がよいことになる。分級度を支配する要因としては流体の乱流の程度,粒子の運搬距離と運搬時間などが重要である。流体が固体粒子に作用するエネルギーレベルが高いほど,またその環境が長く持続するほど分級は効果的に行われる。分級が進んだ堆積物はまた淘汰が良いとも呼ばれ,長期にわたり風の作用下に置かれる砂漠の砂や流水エネルギーの高い波打ちぎわの砂礫(されき)はその好例である。逆に,分級度の低い,言い換えれば淘汰の悪い堆積物の代表はティルtillと呼ばれるものである。これは氷河の末端が解けて流氷の作用を受けずに泥や礫がその場に混じり合って堆積したものである。また,流氷の作用を強く受けても,土砂がごく短時間に堆積する土石流堆積物のような場合も淘汰が悪い。このように,分級または淘汰の程度は砕屑性(さいせつせい)堆積物がおかれたエネルギー環境を表す指標とみなすことができる。その表現法としては統計的な手法が用いられ,いくつかの式が提案されている。→堆積作用

岡田 博有