平凡社 世界大百科事典

ソホーズ

ソ連邦の国営農場。sovetskoe khozyaistvo(ソビエト経営)の省略形で,ソフホーズとも読む。農業集団化期にも,コルホーズとソホーズのいずれが社会主義農業であるかという論争があったが,ソ連では一貫して両方の形態が並存してきた。ソホーズは,革命直後には主として廃絶された地主の土地のうえに建設され,その後国家の未利用地に拡大した。第2次大戦前までソホーズはコルホーズに比べて比較的小さな役割を演じたが,集団化に加わらなかった農民経営や,のちにはコルホーズに対して大規模な機械化経営の有利性を示し,また集団化を促進するものとされていた。戦後フルシチョフ農政下での大規模な処女地の開墾による巨大ソホーズの建設,遅れたコルホーズのソホーズへの転化,さらにその後のソホーズ相互間やコルホーズ・ソホーズ間での工業企業の共同経営などの一連の政策のもとで,ソホーズの役割は著しく増大し,ソ連時代の末期にソホーズはソ連の全耕地面積の半分以上を占めていた。経営規模の拡大とならんでその専門化も進み,それとともに,国家やその他の農産物加工工業などとソホーズ,コルホーズとを結合した〈農工複合体〉(農工コンプレクス)〉の創出が促進された。ソ連邦崩壊後は農民の独立が認められ,コルホーズ,ソホーズの多くは協同組合や株式会社等に改編されている。

奥田 央