平凡社 世界大百科事典

比重計

密度,比重を測定する装置・計器の総称。測定対象(固体,液体,気体),状態(粉・粒体,加圧液体など)に対応して多くの種類がある。

 固体用には,試料を液体中につって秤量し,空気中との差から比重を求める比重瓶がある。また,ボイルの法則を利用し,気体の圧力から試料の体積を求める比重計(図1)がある。比較用ピストンを押して最終位置にきたときに差圧計の指示が0となる測定用ピストンの位置を0点とし,次に試料をはかり入れ,前と同じ操作を繰り返す。差圧計の指示が0となるためには,測定用ピストンは試料の体積分だけ戻されるので,この位置から試料の体積を知る。粉・粒体の測定に用いられる。気体を用いているため,温度の影響が大。また,液体中に浮き沈みせずに静止している固体の密度は液体の密度に等しいことを利用して密度を知る密度こう配管装置もある。

 液体用では,体積のわかったおもりを液体中につり,浮力から比重を求める比重てんびん,一定体積の容器に試料をはかりとり,その質量から比重を求める比重瓶,没入した体積から比重を知るうきばかりがあるが,試料を入れた細管を振動させ,何も入れないときの振動数との差から比重を知る振動式比重計(図2)がある。U字型薄肉ガラスパイプの先端に鉄片をはり,外部より電磁的に振動させ,その振動を振動持続増幅器で持続させ,振動数を測定する。振動数fと試料の比重dの関係は1/f2AdBABは定数)で表される。密度既知の水や空気で定数を求めておき,試料の振動数を測定して比重を求める。試料が少量でよい,感度が高い,連続かつ遠隔測定ができるなどの特徴をもつ。精密な測定では,粘性の影響などを確認する必要がある。

 気体用には,密閉容器中のてんびんの一方の腕のうきに働く浮力をてんびんを平衡させるための圧力から知るガス浮力てんびん(図3)がある。試料を入れててんびんが平衡したときの圧力をPg,標準ガスを入れて平衡したときの圧力をPsとすると,試料の比重dgdgPs/Pgとなる。また,一定体積の試料を細孔から流出させ所要時間Tgをはかり,標準ガスの所要時間Tsとの比較から比重dgdgTg2/Ts2として求めるブンゼン=シリング比重計もある。

伊藤 隆
図1~図3
図1~図3