平凡社 世界大百科事典

分光計

一般に分光器と称されているものの一つと考えてよいが,とくに波長の読取りに重点が置かれているのが分光計であるといえる。スリットとそれに入射した光を平行光束にするための光学素子からなるコリメーター,入射平行光束を集光させて観測するための望遠鏡,分散素子を置く回転台からなり,図のように配置されたものが基本となっている。回転台は大きな角度目盛円板の中央にあり,望遠鏡はその中心軸を望みながら円板のまわりに自由に移動できその回転角を読むことができる。回転台にプリズムや回折格子などの分散素子を置き,分散光を望遠鏡で観測することによって波長決定ができ,また既知波長の輝線を発する光源を用いてプリズムや回折格子の素子定数を測定することができる。角度目盛が基準となっているので,光学面の角度や傾きはもちろんのこと,素材の屈折率の測定など用途は広い。分散素子が決まっており望遠鏡で捕らえたスペクトルの波長が直読できるような波長目盛をもったものをとくに波長分光計と呼んでいるが,これはモノクロメーターといわれているものと同じである。目の代りに光電検出器を用い,波長走査と同期してスペクトルが自記できるようにしたものも分光計と呼ばれる。

南 茂夫
図-分光計(基本型)
図-分光計(基本型)