平凡社 世界大百科事典

スピードスプレーヤー

リンゴ,ナシ,ブドウなどの果樹園において,樹間の通路を走行しながら薬液を散布するのに使われる防除機。果樹園の防除作業は,果樹の丈が高く,範囲も広いため重労働である。その労力を軽減し防除効果を上げるため,効率よく使用できる走行連続散布式大容量防除機としてスピードスプレーヤー(略してSSともいう)が開発された。アメリカを中心に発達し,1954年に日本へ輸入され,現在では果樹園で広く利用されている。スピードスプレーヤーの構造は,薬液タンク,ポンプ,ノズルなどの送液装置,送風機,導風板などの送風装置,台車,車輪などの走行装置およびエンジンよりなっている。ポンプにより加圧された薬液剤はノズルから噴霧され,送風機からの高速気流で液滴をさらに微粒化するとともに,風のエネルギーによって噴霧粒子を樹葉空間内の奥深く吹き込む。ノズルは送風機の噴頭に多数配置され,液滴粒は扇形に飛散する。スピードスプレーヤーには牽引式と自走式があり,薬液タンクの容量は500~2000lのものがある。

岡本 嗣男