平凡社 世界大百科事典

スピキュール

針状体ともいう。太陽の彩層に見られる高温ガスのジェット流のこと。スピキュールは直径1000km,長さ約1万kmの針状の形をしており,太陽全面に網目状に分布している超粒状斑(直径3万km)の縁に沿って生垣のように立って見える。太陽全面で約30万本ある。太陽面上に投影して見ると暗い筋状に見える。スピキュールは彩層低部から発射され,磁力線に沿って数分間毎秒20~30kmの超音速で上昇しコロナの中を突き進んだ後,下降したり消えたりする現象である。その温度は約1万K,密度は原子数で1011個/cm3ほどである。スピキュールの成因はまだよくわかっていないが,有力なものとして,光球の粒状斑(直径1000km)の中の対流運動が超粒状斑の縁に切り立った磁力線にぶつかったとき,磁場の中に引き起こされる乱れが原因となり電磁流体的運動が起こるという考えがある。

田中 捷雄
図-スピキュール
図-スピキュール