平凡社 世界大百科事典

スプリングボック

背中の正中線にそって白色の長い毛の生える帯をもつ偶蹄目ウシ科の哺乳類。南アフリカ産の美しいアンテロープの1種。雌雄とも角がある。明るい栗色の地に,体側に濃いチョコレート色の幅広い帯が走り,臀部と腹面は純白。頭部も純白で,鼻先から目にかけて,黒色の細い筋模様がある。体長120~150cm,尾長20~32cm,体重18~45kg。乾燥した見通しのよい平原に大きな群れをつくってすみ,草木の葉のほか,ひづめで球根や根を掘り出して食べる。水なしでもかなりの期間を生きのびることができる。ものに驚くと,四肢をぴんとのばして3mにも達するジャンプを繰り返し,空中で背中を丸め,背中の白色毛を逆立てる特異な警戒行動で知られる。また,かつては平原をうめつくすほどの大群による季節的な大移動でも知られたが,土地の開発と狩猟によって,大幅に個体数が減り,現在では一部で小規模な移動が見られるのみとなった。→ガゼル

今泉 吉晴