平凡社 世界大百科事典

平方根

2乗してaとなる数をaの平方根,または2乗根という。

(1)aが正の数のとき,aの平方根は実数で,二つあり,一つは正,もう一つは負で,それらの絶対値は等しい。正の平方根を\(\sqrt{a}\)で表す。

(2)aが0のとき,0の平方根は0である。

(3)aが負の数のとき,aの平方根は二つの純虚数で,

を\(\sqrt{a}\)で表すこともある。

(4)αが0でない複素数のとき,αの平方根は,複素数の範囲で二つあり,その一つがabiabは実数)ならば,他の一つは-(abi)である。

開平

正の数aの平方根を求めることをaを平方に開く,またはaを開平するといい,その計算の方法を開平法という。開平法は,すでにアルキメデスの著書にも見られるが,現在行われている開平法は,16世紀になって見いだされた。この開平法は,平方の公式(xy2x2+2xyy2を利用する。すなわち,aを正の数とするとき,

(1)2乗すればaより小で,aに近い正の数b1をとる。

(2)\(\sqrt{a}\)-b1c>0とすれば,ab12+2b1cc2である。ここでcb1に比べて小さいから,c2を無視することにより,

となる。

(3)そこで

に近く,これより小さい正の数c1をとる。b2b1c1とすれば,b2b1よりさらに\(\sqrt{a}\)に近づく。

(4)次に,b1の代りにb2を用い,(2),(3)の操作を行いb3を求める。

(5)以下,(2),(3),(4)を繰り返し,b4b5,……を求めていけば,n回目にbn=\(\sqrt{a}\)となるか,nが大きくなるにつれ,bnは限りなく\(\sqrt{a}\)に近づく。

 例えば,a=552.25のとき,上の(1)~(5)の操作は,図のように図式的に計算できる。

西村 純一
図-開平のしかた
図-開平のしかた