平凡社 世界大百科事典

スタンチョン

牛をつなぎ飼い方式の牛舎で飼育するときに用いる係留具。構造は直径3cmくらいの縦に並べた2本の鉄パイプの上下をそれぞれ湾曲させて組み合わせ,下部の接合部は支点とし,上部の接合部には固定または離開するための開閉装置をつけ,さらに上部および下部が鎖で支柱および床に固定してある。牛の係留時には開閉装置を開き,2本の縦パイプの間に牛の首を入れてから閉鎖する。牛は首の幅が頭骨の幅より狭いため,縦パイプの間隔が適当なばあいは上部を開かないかぎり牛が抜け出ることがない。普通,成牛用としてはパイプのうちのり間隔を18~20cmとしたものが多い。スタンチョンは上部の開閉装置をワンタッチで操作できるため,ロープやチェーン(鎖)などで係留するタイ方式よりも,牛をつなぐときおよび放すときの労力が少なくてすむ利点がある。しかしながら,タイ方式より牛の行動の束縛が大きい欠点がある。

野附 巖