平凡社 世界大百科事典

標準時

太陽に対する地球の自転によって昼夜が生じ,われわれの生活はほとんどこのリズムによって律せられている。しかし,その時刻は子午線ごとに異なり,このままのばらばらな時刻を使用することは社会生活上不便である。そこで,ある国,またはある地域ごとに一定の子午線に関する時刻を法的に定め共用している。これが標準時である。この基準となる子午線はその地域のほぼ中央部を通り経度値が15°の整数倍のものが大部分である。つまりほとんどの標準時は世界時から1時間の整数倍だけずれているが,国によっては30分という端数差をもつものも使われている。日本はその東西のほぼ中心を通る東経135°の子午線の時刻を採用しているので,中央標準時は世界時からちょうど9時間進んだ時刻である。ロシアやアメリカのように東西にわたり広い区域を占める国々では,1時間ずつ次々にずれた複数の標準時を使用している。また,夏時間を採用している国もある。各標準時の境界線はその国その地域の政治的,または地形的条件などで決まり,経度でくぎった経帯時の区分とは大幅に異なる。なお,現在の標準時は正確にいえば世界時ではなく協定世界時が基礎となっている。つまり協定世界時を各国各地域のそれぞれ基準とする子午線の経度値(東経を正とし15°当り1時間とする)だけ進めたものである(表参照)。→時差

飯島 重孝
表-おもな標準時と時差
表-おもな標準時と時差