平凡社 世界大百科事典

ダイウイキョウ

果実から中華料理の香辛料の五香粉(ウーシアンフン)を採るシキミ科の常緑低木。トウシキミともいう。原産地は中国広西チワン族自治区からインドシナにいたる地域で,今はインド南部あたりまで東南アジア大陸部に広く栽培されている。果実は6~8個の袋果が星形に配列した集合果で,直径3~3.5cm。熟すると茶褐色に木質化し,割れてつやのある茶色で扁球形の種子が落ちる。果実を未熟のうちにとって乾燥し,そのまま,あるいは粉末として利用する。また枝葉や果実を蒸留して揮発性のダイウイキョウ油を採る。成分はプロトカテク酸,アネトールなどで,ウイキョウやアニスに似た風味と苦みとがあり,このため果形と香りをあわせてハッカクウイキョウ(八角茴香)とかスターアニスの別名ができた。東洋独特の香味料で,ヨーロッパ人は使わない。また健胃・興奮剤としても利用される。日本産のシキミの果実や種子がこれに似るが,猛毒であるので注意を要する。

星川 清親