平凡社 世界大百科事典

ヌマガレイ

カレイ目カレイ科の魚。北太平洋岸一帯に広く分布する北方種であり,日本では北海道および本州北部に見られる。南限地は,太平洋側では霞ヶ浦,日本海側では小浜である。北海道でカワガレイともいわれている。尾部にわずかな埋没したうろこを有するのみである。体表には数多くの小さな瘤状の隆起体が散在している。側線がよく発達している。有眼側は蒼緑色で,無眼側は淡黄色を呈する。各ひれとも黄色みを帯びており,背,しりびれの両方に明りょうな4~7条の黒色横帯が見られ,尾びれには,3~4条の黒色縦走帯が認められる。産卵期は,北海道西部において2~3月ころである。海に面した潟湖あるいは河口付近の汽水域によく見られ,ときにはかなり上流にまで生息していることもある。カレイ類は一般に体の右側に眼があるのがふつうであるが,ヌマガレイでは左に眼のあるものも多く,その逆転の割合が地域によって大きく異なる種類として有名である。ヨーロッパ産のものは水域により5~36%であるが,北太平洋産のものは逆転率がもっと高く,日本産では100%左側に眼がある。あまり美味でない。体長は37cmを超えるものもある。

松下 克己