平凡社 世界大百科事典

十字石

広域変成作用により生成する鉱物の一種。(Fe2⁺,Mg)4Al18Si8O46(OH)2の化学組成をもち,単斜(偽斜方)晶系に属する柱状結晶を示す。十字形の双晶を示すことが多く,その名の由来となる。暗褐~黄褐色を示すが薄片では無色~黄金色の多色性を示す。比重3.7~3.8,モース硬度7.5。泥岩などが中程度の広域変成作用を受けた場合に晶出し,クロリトイド,ラン晶石などと共生する。十字石はさらに絹雲母,緑泥石などに変質する場合が見られる。

湊 秀雄