平凡社 世界大百科事典

ステアリルアルコール

化学式CH3(CH217OH。マッコウ鯨油の成分である高級脂肪族飽和一価アルコール。ほかに,カモの尾腺,モンタン蠟,綿蠟中にも存在する。無臭,白色の蠟状固体で,純粋なものは薄い板状晶。融点58.0℃,沸点345℃,比重0.8392,比旋光度nD20=1.4529。水に溶けやすい。おもにマッコウ鯨油の加水分解で製造され,合成洗剤,塩化ビニル可塑剤の原料,また化粧品,医薬品に供されていたが,クジラ資源の減少により工業用原料としての意味は少なくなり,石油化学を主とする合成高級脂肪族アルコールに代替されている。

内田 安三