平凡社 世界大百科事典

スチール・バンド

何種類かのスチール・ドラムに打楽器を加えて編成した楽団をいう。スチール・ドラムsteel drumはドラム缶の上蓋に凹凸をつけ,ひとつひとつの凸個所をたたくとそれぞれ別の音程で鳴るように調整し,楽器として使用するもので,高音用,低音用などがある。第2次大戦中,アメリカ空軍が捨てたドラム缶を利用してトリニダード島の黒人によって考案された。現在では同島の名物として,とくにカーニバルでは数多くのスチール・バンドが街頭を練り歩く。小アンティル諸島のほかの島々にも伝播しており,1970年代後半にはアメリカの音楽にもスチール・ドラムがしばしば取り入れられるようになった。

中村 とうよう