平凡社 世界大百科事典

鋼矢板

土止めや水止めに用いられる鋼製の矢板。硬い地盤への打込みが可能であり,また引抜きも容易で反復使用にも適している。

 鋼矢板にはその断面形状により,U形,Z形,直線形,H形の4種があり,いずれも圧延によって製造される。矢板は一般に幅方向に接続して打ち込むため,その両端には連結部を必要とし,このような幅方向の連結部を長手方向に有する鋼板を圧延によって製造することは,それ自体一つの技術であった。また当初はまさしく板であったが,長手方向の曲げ剛性などを考慮すると,形鋼のように多少屈曲した断面形状のほうが好ましいこともわかり,直線形鋼矢板も含め現在は形鋼の一種として製造されている。技術上重要なことは,幅方向の連結部の成形の段取りであり,この部分の圧延が成功しなければ鋼矢板は用をなさない。→矢板

木原 諄二