平凡社 世界大百科事典

ステレオ投影法

三次元空間内の平面の向きや面相互の位置関係を平面上に表して解析するための投影法の一つ。結晶の形を平面に表すため(構造岩石学において岩石の構造要素がどのような方位に配列されているかを調べるため,あるいは,地図投影,特に両極地方のゆがみをできるだけ少なくする場合などに用いられる。平面上に表そうとする線や面の方向を直線として想定し,この直線上の任意の1点Oを中心とする球面を設定する(図1)。直線と球面の交点Pと球の極を結ぶ線分が水平面と交わる点P′が,与えられた方向を点として表したステレオ投影である。図中のP,Q,Q′の3点をとおる平面は球面上の大円PQQ′として,赤道面上の直径QQ′に投影され,水平面は赤道として投影される。投影する半球を上半球にとるか下半球にとるかの選択は目的によって自由に決められる。

 ステレオ投影法ではウルフネットが使われる。ウルフネットはステレオネットとも呼ばれ,ステレオ投影の際に設定される球面上にあらかじめ規則的な網目を描き,その網目を平面上にステレオ投影によって表した網面であり,ウルフG.Wulffが1902年に考案した(図2)。球面上に描かれる網目は,図1NSを直径とする2度きざみの大円と,NSに直交する鉛直方向で中心角度2度きざみで輪切りにした小円によってつくられている。ウルフネットによる投影の特徴は,球面上の大円,小円のいずれも円または直線として投影されるため作図が容易であり,また,球面上の大円と大円の間の角度は,ウルフネット上の対応する円と円の交角に等しいことにある。このネットによる方法の欠点は,位置によって面積のゆがみが大きく表れることにある。そのため,線や面の構造解析には,むしろシュミットネットを用いた等面積投影法によることが多い。

 ウルフネットを使用するときは,その上に透明紙を重ねて,中心を画鋲や針などでとめ,透明紙を回転させながらその上に線や面の構造要素を作図する。→等面積投影法

原田 哲朗
図1~図2
図1~図2