平凡社 世界大百科事典

焼付き

金属の塑性加工の際に生ずる表面欠陥の一つ。金属工具と材料との間が圧力の作用で結合し,その後はがれることによって生ずる。工具と材料との間には大きな摩擦力が作用し,また材料は塑性変形のために表面層である酸化皮膜が破れ,地の金属面が現れている。この金属面は原子結合論から考えてもきわめて活性に富み,場合によっては工具表層の化合物層と凝着したり,表層化合物を還元して金属どうしが結合したりする。焼付きはこのような原子どうしの結合に起因するので,温度が高いほど生じやすい。潤滑を行い摩擦部の温度を低下させること,活性な金属面と反応しやすい物質を送り込むことなどによって防止することができる。

木原 諄二