平凡社 世界大百科事典

イシガレイ

カレイ目カレイ科の魚で,日本の南部から東シナ海,北はサハリンまでの各地の内湾や河口の砂泥底に広く生息する。体は楕円形でうろこはなく,皮膚は滑らかである。有眼側に2~3列の舗石状の突起があるのが大きな特徴であり,名前の由来でもある。ただし幼魚にはない。体色は黄褐色か緑色で,周辺部には白色の円形斑紋が点在する。全長は40cmを超える。産卵は晩秋から冬にかけて30cm以下の浅瀬で行われる。仔魚(しぎよ)は1週間あまりで孵化(ふか)し,2cm前後で眼が移動した後10m以浅の海底に着底し幼魚期をそこで過ごす。成長に伴って食性が変化し最初は小型の甲殻類や多毛類を食べているが,20cmを超えると魚食性が強くなる。おもに冬期に刺網,手繰網,底引網などで漁獲される。カレイとしてはもっともポピュラーで釣りの好対象でもある。関東ではその独特な風味を珍重するが,その他の地方ではそれほど好まれない。刺身,洗いなどの生食か煮つけにすることが多い。

松下 克己