平凡社 世界大百科事典

プランタジネット様式

フランスの初期ゴシック建築様式の一つ。〈アンジュー様式〉ともいう。プランタジネット朝治下の西部フランス,ことにアンジュー地方に行われた。イギリスの様式を起源とし,壁つきアーチや横断アーチよりも交差リブのほうが高く,天井はドーム状をなす。北フランスのゴシックのように上昇感を強調することはない。単身廊形式もしくは身廊と左右側廊が同じ高さのハレンキルヘ形式をとる。また周歩廊やフライイング・バットレス,バットレス(扶壁)を欠くことが多い。アンジェのサン・モーリス大聖堂(12~13世紀),サン・セルジュ教会(13世紀)がその典型例。

藤本 康雄