平凡社 世界大百科事典

サブクローバー

牧草として利用されるマメ科の一・二年草。サブタレニアンクローバーsubterranean clover,ジモグリツメクサともいう。サブタレニアンとは〈地下の〉の意味で,開花後,地中で種子を稔実させることによる。地中海沿岸地域の原産。現在,オーストラリアやニュージーランドで栽培されている。茎は地をはうように伸び60cmほどになる。葉は互生し,葉柄は長く10cmを超える。3枚の小葉は先がくぼみ,ハート形。春に葉の付け根から花柄が伸び,その先にかたまって白色の数個の有性花が咲く。さらに,花序の中心部には多数の無性花があるが微小で目だたない。受精後,花柄が下に向かって伸び,花序は地中にもぐる。この際,多数の無性花が伸び出し,数個の果実を包むように反り返り,塊をつくる。各果実には1個の種子がある。種子は径3.5mmのほぼ球形で暗紫,黒色。秋に発芽し,翌夏には枯れる。冬季が温暖多湿で,夏季に乾燥する地域に適する。また,やせた土地にもよく育ち,放牧地の牧草として利用される。日本にも帰化している。

星川 清親