平凡社 世界大百科事典

海底火山

海洋底にある火山はすべて海底火山と呼ばれるが,とくに深海底に分布する火山は構成岩石や内部構造などが陸上の火山とはまったく異なる。この種の海底火山は主として玄武岩の溶岩(とくに枕状溶岩)から成り,比高数千mを超える巨大なものも多い。これらはマグマが海洋プレートの上部マントルから直接海底に噴き出したもので,太平洋,大西洋,インド洋などに1万個以上存在する。深海底で起こる火山噴火の徴候が,海面で観察されることはまれである。日本近海でしばしば観察される海底火山の爆発は,みなきわめて浅い海底(ふつう100m以浅)で起こったものであり,火山も日本列島上のものと同じ種類の岩石から成っている。このような浅海底での爆発の結果,多量の軽石が流れ,海水の変色域がひろがり,ときには巨大な水柱を生じるのが見られる。

荒牧 重雄