平凡社 世界大百科事典

亜寒帯多雨気候

亜寒帯とは温帯と寒帯の間に位置し,偏西風と周極風(極偏東風)の両者が出会うあたりを中心に,緯度にして大体50~70°の範囲である。したがって,両風系間に寒帯前線(極前線)ができ,高緯度帯としては相対的に降雨の多い気候帯となっている。シベリア東部のように夏に雨が多く冬に乾燥するタイプの亜寒帯夏雨気候と異なり,年中ほぼ平均的に降雨がみられるが,温帯にくらべると少ない。冬の寒さは平均-3℃未満と厳しく,夏は短いが20℃を超えることもあり,作物生育が可能で,春小麦,ライ麦,ジャガイモ,大豆,コーリャンなどの一年一作型農業が行われている。南部は肥沃な褐色森林土でブナ,カンバなどの広葉樹とモミ,ツガ,トドマツなどの針葉樹からなる混合林が分布し,北部はポドゾルのタイガ地帯(大針葉樹林地帯)である。この気候帯は北半球にしか分布しない。

福岡 義隆