平凡社 世界大百科事典

吸盤

動物が他の動物や物体に吸着するための構造。吸虫類では口の周囲,腹面などにみられるが,位置や数には変異がある。ヒル類では体の前後端に,頭足類では触手上にある。いずれも吸盤の縁を対象物に強く押しあて,筋肉を収縮させて吸盤内部の容積を拡張し,含まれている空気を外圧に対して負圧とすることにより,強い密着力を生じさせる。両生類のアマガエルでは指端にあり,その掌面は多数の独立した上皮細胞からなる。個々の細胞の表面は扁平で,対象物に吸着する際には細胞間の小孔から粘液,またはリンパ液を出し,この液体を媒体として扁平な細胞表面と,対象面の間に生じる表面張力を利用している。したがって洗剤などのついた面では滑り落ちてしまう。爬虫類のヤモリでも指の掌面にあり,多数の横ひだからなる。横ひだを構成する剛毛は,非常に細く長く,対象物の表面にある微小な凹凸によく適合して吸着力を生じさせる。

松井 正文
平凡社 世界大百科事典

サッカー

表面に縦,横,または格子状の〈しぼ〉のある織物。本来はシアサッカーseersuckerといい,〈ミルクと砂糖〉を意味するペルシア語のshīr va shakkarに由来する。もともとインドで作られ,亜麻や木綿であったが,現在は絹やレーヨンでも作られる。〈しぼ〉は張力の異なる糸を経,緯に用いて凹凸を作るが,苛性ソーダなどを用いた薬品処理を行うこともある。一般に薄手で,〈しぼ〉のさらりとした触感から夏物衣料に用いられる。

池田 芙美