平凡社 世界大百科事典

サトウカエデ

カエデ科の落葉高木。カナダのケベック地方からアメリカのテキサス州,ルイジアナ州にいたる北アメリカ東部に広分布し,五大湖地方に多い。樹液からカエデ糖が得られる。カナダの国旗にはこの木の葉が1枚描かれている。樹高30~40m,直径50~100cmになる。樹皮は灰色。葉は対生し,葉柄4~8cm,葉身は径8~14cmで,3~5裂し,荒い歯牙がある。雌雄同株。花は淡緑黄色の小花で,雌花と雄花が円錐花序に咲く。花弁と萼片は鐘状に癒合し,おしべは8本。果実は2個の翼をもった翼果で,秋に熟する。ブラック・メープルA.nigrum Michx.f.(英名black maple)は近縁種で,樹皮が黒い。

 カエデ糖の生産は五大湖地方で行われている。樹液の流動が盛んになる2~3月,幹に直径約1cm,深さ5~7cmの穴をあけ,樹液を集め,濃縮したものがメープルシロップmaple syrupで,褐色,みつ状,約60%のショ糖を含む。

緒方 健