平凡社 世界大百科事典

硫黄酸化物

硫黄の酸化物の総称であるが,おもに,硫黄Sを含んだ化石燃料の燃焼により二酸化硫黄SO2(亜硫酸ガス)や三酸化硫黄SO3の形で発生し,エーロゾルに吸着したり硫酸などの酸化物となって大気中に存在する。SO2は300~500ppmの濃度で短時間のうちに胸痛,意識混濁などの中毒症状を生じさせ,1.6ppmで健康人の上気道粘膜を刺激して可逆的な気管支収縮を発生させる。ぜんそく患者では0.25ppm2時間で影響が認められている。粒径が1μm程度のエーロゾルと複合した硫黄酸化物は細気管支にまで到達し,相加・相乗作用による毒性を強め呼吸器疾患の一因となる。ロンドンスモッグ,足尾,別子の鉱毒事件,四日市ぜんそくなどの大気汚染事件の重要な原因物質である。日本では〈大気汚染

塚谷 恒雄