平凡社 世界大百科事典

スリン

ノン・リードの管楽器。インドネシアの竹製の縦笛。管の上端は節の部分で閉じられており,その節の一部を斜めに削り取りその少し下に四角い吹口をあける。吹口の下辺は内側が鋭角に削られ,節に巻きつけた籐製の鉢巻状のものの作用と相まって,息が吹き込みやすい構造になっている。指孔は吹口と反対の側にあり,4~6孔が普通である。最も太いものは,バリのスリン・ガンブで,直径約4.5cm,長さも90cm近くある。最も長いものは,スラウェシのトラジャ族が用いるルンバンで,80cmから1mにも及ぶ。短いものでは20cmくらいのものもある。スマトラ,西部ジャワ,スラウェシなどでは,歌や語りの伴奏として用いられ,中部ジャワ,西部ジャワ,バリのガムランでは主導旋律楽器として,ときには効果的な装飾旋律楽器として用いられる。

田村 史子