平凡社 世界大百科事典

超電導発電機

回転子電磁石に超電導マグネットを用いた発電機。大容量の蒸気駆動のタービン発電機に対して,この超電導化の開発が行われている。発電機は超電導化により著しく小型,軽量になり,また電圧変動率などの特性も改善される。なぜならば,発電機の出力PPKD2LKkBgAC)のように表される。

 上式で,D2Lは体積を表す次元なのでKは出力係数といわれている。このKの中身は上式のように固定子と回転子の間の空隙(くうげき)の磁束密度Bgと電機子コイルの発電能力ともいうべき,流し得る電流Aと導体の巻数Cの積AC(アンペア・コンダクター)で表される。一般の発電機では固定子,回転子とも磁束が通りやすいように鉄心が用いられているが,この磁気飽和のためにBgは最高でも1T程度である。これに対し,超電導機では起磁力が強いため,鉄心が不要でBgを1.5~3Tにすることができる。また電機子コイルも,固定子鉄心溝の中に巻く必要がなく,巻く空間が大きく,また,漏洩リアクタンスが減ずるなどの理由で,ACを増大することが可能である。したがって出力係数は2~4倍に増大できることになり,著しく小型,軽量化する。また一般の発電機では上記のように電機子コイルは鉄心の狭い溝に納めるため,絶縁上発生電圧は最高25~30kV程度であるが,超電導発電機では直接送電可能の,例えば220kVのような高い電圧の発生ができるので,送電用昇圧変圧器が省略できる利点もある。

山本 充義