平凡社 世界大百科事典

超仕上げ

砥石(といし)を用いる精密加工法の一種。粒径の小さな砥粒で作られた角状の砥石を,比較的低い圧力で加工物に押しつけ,振幅1~5mm,振動数10~40Hz程度の相対振動を与えながら加工に必要な相対運動を行わせる。表面粗さが小さく,かつ加工変質層の厚みも小さい良好な加工面が得られるうえ,相対振動の存在によって加工能率もかなり高いという特徴を有する。0.1μm程度の表面粗さを得ることもできる反面,波長の大きな表面のうねりを除去することは困難である。加工中には,脱落砥粒や切りくずの除去および潤滑を目的として加工液が注がれる。鋼,鋳鉄などの軟質材はもとより,超硬合金,フェライト,セラミックスなどの硬質材料の加工も可能であり,各種精密部品の円筒外(内)面,平面などの仕上加工に利用されている。

稲崎 一郎