平凡社 世界大百科事典

超酸化物

O2⁻イオンを有する化合物。MO2(M=Na,K,Rb,Cs),M(O22(M=Ca,Sr,Ba)などが知られている。アルカリ金属または金属酸化物を過剰の酸素と加熱しながら反応させるか,アルカリ土類金属の過酸化物と過酸化水素濃厚水溶液とを加熱して得られる。アルカリ金属の超酸化物は黄色,常磁性の固体で,常磁性はO-Oの3電子結合における不対電子に基づいている。炭化カルシウム型の固体で,O-O結合は1.28Å程度であるが,NaO2のみは黄鉄鉱型構造で,O-O結合距離は1.33Åと長くなっている。高温では分解するが,ナトリウム化合物以外は常温では乾燥空気中で安定。水と反応して酸素を発生し過酸化物となるが,熱すればさらに水酸化物にまで分解する。強い酸化剤。超酸化物よりさらに高い割合の酸素を含む化合物MO3,M2O3(M=K,Rb,Csなど)が知られているが,前者はO3⁻(オゾン化物イオン),後者はO22⁻(過酸化物イオン)とO2⁻の両方を含む。

大瀧 仁志