平凡社 世界大百科事典

表面張力

液体の表面積を縮小させようとする力。外力の影響がなければ液体は球形になる。面内に微小線分をとるとき,両側の面は,線分をはさんでその線に垂直でかつ面内にある,互いに引き合う力をおよぼし合うが,その大きさは線分の方向によらない。ふつう,単位長さ当りの力をとって表面張力という。

 表面張力は液体内部では等方的に働いている分子間力が,表面ではあまって現れるものであり,温度を一定に保って表面積を単位面積だけ広げるに要する仕事に等しい。このような形で表面に蓄えられると考えられるエネルギーを一般に表面エネルギーと呼ぶ。小さな水滴が球状の形をとったり,シャボン玉が球形になるのも,表面積を小さくして表面エネルギーを極小にする効果と考えられる。液体の表面張力は温度を上昇させると分子運動が激しくなるために減少する。また不純物の存在によって著しく影響を受け,とくに表面活性の物質は表面張力を極度に低下させる。

 このような力は液体と液体,液体と固体,固体と気体など,異なる相の境界面においても存在し,一般的には界面張力と呼ばれる。例えば固体の表面に液体がある場合,その毛管現象も表面張力の存在によって生ずる現象である。

橋本 英典
図-三つの流体の間の界面張力
図-三つの流体の間の界面張力