近年ECサイトなど、オンラインショップの需要が高まる中、様々な決済手段が導入されています。コンビニ・銀行口座で支払える「後払い決済」もその中のひとつです。
では、後払い決済とはどういったものなのでしょうか?この記事では、後払い決済の概要について詳しく説明します!またファクタリングとの違いも解説しているので、是非参考にしてください!
- 後払いとは、代金を「後で支払う」決済方法のこと
- 後払い=BtoC、掛け払い=BtoBの決済手段である
- 売上を「先払い」してもらうファクタリングとは性質が全く異なる
「後払い」決済とは?
後払いは、代金を「後で支払う」決済方法!
後払い決済とは、購入した商品を受け取った後にコンビニや銀行などで代金を支払う決済手段のことです。ECサイトなどでのネットショッピングが主流となっている近年では、注文・決済をしたのに商品が届かない詐欺が急増し問題視されています。
後払い決済という選択肢があることで商品の受け取り後に決済できるため、安心してネットショッピングを行うことができます。また、クレジットカードを保有していない方でも利用できるため気軽に買い物ができるようになります。「購入者ファーストな決済手段」と言えるでしょう!
「後払い」と「掛け払い」の違い【比較の一覧表あり!】
掛け払いとは、商品の購入やサービスの利用後に代金を支払う決済方法です。一見後払いと変わらないように思うかもしれませんが、実は使われるシーンや内容が若干異なります。
後払い=BtoC、掛け払い=BtoBである!
両者の根本的な違いは取引相手です。
後払いは、一般的に企業が消費者に対して商品やサービスを提供するBtoC(Business to Customer)の取引での決済手段です。一方、商品やサービスを提供する側と購入する側がどちらも企業であるBtoB(Business to Business)の場合の決済手段は掛け払いと呼ばれています。
商品やサービスの購入後に支払いを行うという仕組みは同じですが、このように取引相手によって呼ばれ方が異なります。
後払いと掛け払いは費用や支払いサイクルが異なる!
取引相手が一般消費者である後払いでは、取引1回ごとに決済が可能です。基本的に商品の到着時から一定期間後の支払い期日が設けられており、同月に複数の後払い取引が発生した場合にも、その都度決済が行われます。対して、掛け払いでは1ヶ月間での取引が集計され、月ごとにまとめて請求されるのが一般的です。
取引額の上限も個人と法人で異なります。取引相手が個人である後払いは利用額の上限が税別3~10万円に制限されていることが多いのに対し、法人間の掛け払いでは数百〜1000万円までと高額に設定されています。
また、EC運営者側(両決済システムの導入者側)に対しても違いがあります。取引可能額が大きい掛け払いの多くは月額利用費が無料であり、手数料も1~3%と低めに設定されています。対して後払いは毎月上限5万円ほどの固定費が発生する場合が多く、手数料も5%前後と、掛け払いより割高となります。
両者を比較した表を以下にまとめました!
後払い(BtoC) | 掛払い(BtoB) | |
購入者側 |
取引1回ごと | 1ヶ月に1回 |
支払いサイクル | 商品発送から規定の日数以内 | 月末締め翌月末支払い |
利用上限金額 | 3〜10万円 | 数百〜1000万円 |
EC運営者側 |
5%前後 | 1%〜3% |
月額固定費 | 〜5万円 | 無料〜数万円 |
後払いのメリット(購入者側)
後払いを利用することで注文後の代金支払い時期を後ろ倒しにすることができ、購入者は資金繰りに余裕を持つことができます。
また、商品の到着後、届いた商品の状態を確認してから代金を支払うことができるため、安心してショッピングを行えます。
資金繰りの改善に使われる代表的な手段としてファクタリングと言うサービスも存在します。よければこちらの記事も参考にしてみてください!
中には最短10分で入金が完了するサービスも存在します!
後払いのメリット(EC運営者側)
これまで、電子決済はクレジット決済が主流でした。ECサイトの運営者は後払いを導入することで若年層などのクレジットカードを保有しない客層も取り込み、売り上げupが期待できます。後払いはクレジット決済のように決済情報を事前登録する必要がないため、利用ハードルが下がりCVRの改善も見込めます。
また、後払い決済代行会社と契約をすることで未払いの代金が保証され、未回収リスクを軽減することができます。毎月決まった日時に代行会社から売り上げが立て替えられるため、催促や代金回収などにかかる手間も省けます。
後払いサービスを一部紹介!
ツケ払い(GMO後払い)
「ツケ払い」は、GMOペイメントサービスがZOZOTOWN用に提供している後払いサービスです。代金の支払い期間は商品の購入から2ヶ月間で、最大5万円まで利用することができます。
2016年にサービスを開始してから1年もしないうちに利用者は100万人を超え、以来最も注目を集めている後払いサービスの一つです。
審査の有無 | ○ |
利用限度額 | 55,000円(税込) |
手数料 | 1注文につき324円(税込) |
支払い期日 | 商品購入から2ヶ月後 |
支払い方法 | コンビニ・銀行・LINE Pay |
Paidy(ペイディー)
「Paidy(ペイディー)」は、株式会社Paidyが提供するオンラインショップ向け後払いサービスです。
通常の翌月払いの利用のみであれば、メールアドレスと電話番号を入力するだけで、事前登録なしで利用することができます。また、追加で本人確認を行うだけで支払いを3回に分割することもでき、その利用の手軽さで人気を博しています。
審査の有無 | ○ |
利用限度額 | 上限なし |
手数料 | ・コンビニ払い:356円 ・銀行振込:規程の振り込み手数料 ・口座振替:無料 |
支払い期日 | 請求書発行月の10日まで |
支払い方法 | コンビニ・銀行振込・口座振替 |
atone(アトネ)
atoneは株式会社ネットプロテクションズホールディングスが運営する後払い決済サービスです。
最大の特徴は、ポイント制度です。200円の買い物ごとに1ポイントたまり、貯まったポイントは支払い代金の充当や商品交換に利用できます。
また、atoneは実店舗での後払い決済も導入しています。まだ対応している店舗やオンラインショップは少ないですが、これからに期待できるサービスと言えるでしょう!
審査の有無 | × |
利用限度額 | 50,000円(税込) |
手数料 | 209円(税込)ただし、口座振替の場合は無料 |
支払い期日 | 翌月10~27日 |
支払い方法 | コンビニ・口座振替 |
ベリトランス後払い
「ベリトランス後払い」は、株式会社DGフィナンシャルテクノロジーが提供する後払い決済サービスで、後払い決済事業を展開する株式会社SCOREのシステムを基盤としています。また、同社が提供する総合決済サービス「VeriTrans4G」とのデータ連携も行っています。
審査を通過した注文代金は100%保証されるので、未払いリスクを軽減することができます。不正検知機能の搭載やスマホ決済との連携も予定されており、消費者・事業者のどちらも安心して利用できるサービスとしての今後の拡大が期待できます。
運営会社 | 株式会社DGフィナンシャルテクノロジー |
審査の有無 | ○ |
利用限度額 | 記載なし |
手数料 | 非開示(個別で見積もり) |
支払い期日 | 当日〜365日 |
支払い方法 | コンビニ・郵便局 |
後払い.com
「後払い.com」は、株式会社キャッチボールが提供している後払い決済サービスです。ECサイト運営者はもちろん、クラウドサービスや卸売業など、様々な業種に対応しています。
また、後払い.comは後払いの決済方法に業界で初めてクレジットカードやスマホ決済を導入しており、利便性に定評があります。導入店舗数も30,000を超え、いま業界でトップクラスに勢いのある後払い決済サービスと言えるでしょう!
ちなみに、同社は後払いサービスの他にもBtoBに特化した決済代行サービス「掛払い.com」も展開しています。
運営会社 | 株式会社キャッチボール |
審査の有無 | ○ |
利用限度額 | 記載なし |
手数料 | 1.2%〜3.6% |
支払い期日 | 翌月末払い |
支払い方法 | コンビニ・郵便局・銀行・LINE Pay・FamiPay |
ファクタリングと後払いの違いは?
ファクタリングは代金の「先払い」である!
ファクタリングは、いわゆる「先払い」サービスです。売掛債権やそれに準ずる債権をファクタリング会社に売却して、入金日前に現金化するサービスのことを指します。
代金を「後払い」可能にする後払いサービスとは全く取引の性質が違うサービスになります。
- 後払い = 購入者にメリットの大きいサービス
- ファクタリング = 商品提供者にメリットが大きいサービス
ファクタリングの仕組み
ファクタリングには2者間・3者間の2つの契約形態が存在します。
2者間ファクタリングは下図のような流れを取ります。
2者間ファクタリングの流れ
- ファクタリング利用者は売掛債権をファクタリング会社に譲渡。ファクタリング会社は利用者に売掛金から手数料を引いた額を支払う。
- 後日、利用者が取引先から売掛金を受け取る。
- 利用者が売掛金をファクタリング会社に支払う。
3者間ファクタリングは下図のような流れを取ります。
- 利用者がファクタリングを利用することを利用者の取引先が承認したのち、ファクタリング会社と利用者間でファクタリング契約を結ぶ。
- ファクタリング会社が売掛金から手数料を引いた分を利用者に先払いする。
- 取引先がファクタリング会社に売掛金分を支払う。
ファクタリングのメリット・デメリット
- 素早い資金調達が可能であり、資金繰りの改善が期待できる
- 借入ではないので信用情報に影響しない、また保証人や担保が不要
- 2者間ファクタリングの場合、取引先に通知されない
- 銀行融資に比べ手数料が高い
- 売掛金の範囲内でしか資金調達できない
- 違法な悪徳ファクタリング業者も存在する
ファクタリングについてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事も参考にしてみてください!
編集部おすすめファクタリングサービス5選!
ペイトナーファクタリング:ペイトナー株式会社(旧:yup株式会社)
「ペイトナーファクタリング」はペイトナー株式会社(旧:yup株式会社)が提供するファクタリングサービスです。請求書を最短10分で現金化できるスピードが売りのサービスで、オンライン完結が可能です。
サービス開始から2年弱(2021年9月現在)と若い会社にも関わらず、最近では4.5億円の資金を調達するなど、成長著しいサービスとなっています。
2者間 | 〇 |
3者間 | × |
個人 | 〇 |
法人 | 〇 |
手数料 | 一律10% |
買取金額 | 1万円~25万円(初回) ~100万円(2回目以降) |
入金スピード | 最短10分 |
オンライン完結 | 〇 |
債権譲渡登記 | 不要 |
運営会社 | ペイトナー株式会社 |
QuQuMo
最後に、株式会社アクティブサポートが提供するファクタリングサービス「QuQuMo」をご紹介します。
QuQuMoの特徴は、買取金額に下限と上限がないことです。
手数料は下限が1.0%と安めに設定されており、入金までの時間も最短2時間と比較的早いサービスとなっています。
安く、素早く、小口から大口まで、多様なニーズに対応しています。
2者間 | 〇 |
3者間 | × |
個人 | 〇 |
法人 | 〇 |
手数料 | 1.0%~14.8% |
買取金額 | 限度なし |
入金スピード | 最短2時間 |
オンライン完結 | 〇 |
債権譲渡登記 | 不要 |
運営会社 | 株式会社アクティブサポート |
「QuQuMo」の紹介記事はこちら↓↓
ビートレーディング
ビートレーディングはファクタリング業界でとても有名な企業です。実績やクチコミも十分にあります。手数料は2%〜と安く、即日での入金もできるため、個人の方が使うにはもってこいのサービスです。
ただ、初回はオフラインでの面談が必要な点、手数料の上限が明記されていない点が不安点かもしれません。利用の際は以下のサービスを詳しく解説した記事を参考にしてみてください。
2者間 | ◯ |
3者間 | ◯ |
手数料 | 2者間:4〜12% 3者間:2〜9% |
買取金額 | 上限・下限なし |
入金スピード | 即日〜3日 |
オンライン完結 | ○(オンライン・来社・訪問いずれか選択) |
債権譲渡登記 | × |
運営会社 | 株式会社ビートレーディング |
- 最短5時間で入金!
- 調達金額に上限・下限なし!
- オンライン完結で簡単!
フリーナンス即日払い:GMOクリエイターズネットワーク株式会社
「フリーナンス即日払い」はGMOクリエイターズネットワーク株式会社が提供するファクタリングサービスです。AIによる書類審査などで、オンライン完結が可能になっています。
ファクタリングサービスのみならず、各種補償サービスも充実しており、フリーランスの方には非常にオススメできるサービスです。
2者間 | ◯ |
3者間 | × |
個人 | ◯ |
法人 | ◯ |
手数料 | 3〜10% |
買取金額 | 1万円〜 |
入金スピード | 最短当日 |
オンライン完結 | ◯ |
債権譲渡登記 | × |
運営会社 | GMOクリエイターズネットワーク株式会社 |
OLTAクラウドファクタリング:OLTA株式会社
「OLTAクラウドファクタリング」はOLTA株式会社が提供するファクタリングサービスです。
クラウドファクタリングというオンライン完結型のファクタリングサービスを2017年から提供しており、オンライン完結可能なファクタリングの先駆けと言えるサービスです。
最近ではCMの放映を開始したり、多くの銀行と提携したりと、こちらも成長の最中にあると言えるサービスです。
2者間 | ◯ |
3者間 | × |
個人 | ◯ |
法人 | ◯ |
手数料 | 2〜9% |
買取金額 | 上限・下限なし |
入金スピード | 最短即日 |
オンライン完結 | ◯ |
債権譲渡登記 | × |
運営会社 | OLTA株式会社 |
GMO BtoB早払い:GMOペイメントゲートウェイ株式会社
GMO BtoB早払いは、東証一部上場企業のGMOペイメントゲートウェイ株式会社が運営するファクタリングサービスです。
手数料は1%~10%と安く、実績もあり、安心して任せることができます。ただ、最短でも2日かかる入金スピードがネックになるかもしれません。
また、請求書だけでなく注文書を買い取ってもらうこともできます。こうすれば請求書の買取よりも早く現金化できます。魅力を感じた方は利用を検討してみてはいかがでしょうか。
2者間 | ◯ |
3者間 | ◯ |
手数料 | 注文書買取:2%~12% 請求書買取:1%~10% |
買取金額 | 100万円~1億円 |
入金スピード | 最短2営業日 |
オンライン完結 | ◯ |
債権譲渡登記 | なし |
運営会社 | 株式会社GMO PG |
まとめ
いかがでしたでしょうか。今回は後払い決済サービスについて詳しく解説しました。
ここでもう一度この記事の結論を振り返ってみましょう!
- 後払いとは、代金を「後で支払う」決済方法のこと
- 後払い=BtoC、掛け払い=BtoBの決済手段である
- 売上を「先払い」してもらうファクタリングとは性質が全く異なる
また、後払いは、購入者のみでなく商品の提供者にもメリットのある決済サービスです。顧客の新規獲得や売上upをお考えなら是非導入を検討してみてはいかがでしょうか。
exciteファクタリングでは、ファクタリングや資金調達にまつわる様々な記事を公開しています。よろしければ参考にしてみてください。
最短10分で報酬を受け取ろう!ペイトナーファクタリングがおすすめ!