「クラウドファンディングで資金調達して、事業を成功させたいけど具体的にどのようにすればいいかわからない。何か参考になる成功事例はないのかな?」というような悩みを抱えている方向けに、記事を書いています。
クラウドファンディングは、従来にはなかった新しい資金調達方法として注目を集めています。そしてクラウドファンディングを活用して事業展開を企業の立ち上げに成功している人が増えてきているのです。
どの背景には、クラウドファンディングの仕組み的な資金調達にしやすさがあります。しかしその他にもクラウドファンディングの成功事例がマスメディアやSNSで取り上げられて評価が高まっていることもあるのです。
クラウドファンディングで資金調達に成功すると、そのノウハウを発信できたり、事業の宣伝効果を高められたり、資金調達を成功させた人の知名度が上がるなど、さまざまな副次的影響が生じるでしょう。
そこで本記事では、クラウドファンディングの概要をお伝えした上で、今までのクラウドファンディングの成功事例を紹介します。さらに、成功事例から学べることも合わせて見ていきましょう。
クラウドファンディングとは
クラウドファンディングとはインターネット上で不特定多数の支援者や投資家から資金を集め、個人や企業などの事業へ資金提供する仕組みのことをいいます。ちなみにクラウドファンディングは、英語のクラウド(群衆)とファンディング(資金調達)がかけ合わさった造語です。
従来の資金調達方法は、次のように人から人へお金を渡す方法しかありませんでした。
- 銀行からの融資
- 家族・親戚からの援助金
- 協力企業からの出資金
- 街頭での募金
そのような資金調達方法では、起案者が事業情報を届けられる相手が限られるため、資金調達をするのに苦戦する可能性が大きかったのです。しかしインターネットで事業の情報を手軽に不特定多数の人に届けられるクラウドファンディングの普及によって、誰でも気軽に資金調達できるようになりました。
クラウドファンディングでは、事業を提案し資金調達する人のことを起案者、応援したい事業を見つけて資金提供する人のことを支援者、もしくは投資家といいます。
起案者のクラウドファンディングでの資金調達手順は、主に次のような流れになります。
- 事業案を、クラウドファンディングサイトへ提出し掲載の有無を決める審査を受ける
- 審査に通過したら、クラウドファンディングサイトに掲載される
- その事業を応援したい支援者からの資金提供がある
- 目標金額を達成したら、クラウドファンディングサイトに手数料などを払って資金調達する(目標金額を達成できなくても受け取れる制度もある)
- リターンを用意している場合は、支援者に渡す
- 事業の進捗状況を支援者に報告する
リターンの有無は、起案者が利用するクラウドファンディングの種類によって異なります。
クラウドファンディングの種類
続いて、簡潔にクラウドファンディングの種類を紹介します。クラウドファンディングには、大きく分けて次の7つの種類があります。
- 寄付型クラウドファンディング
- 購入型クラウドファンディング
- ふるさと納税型クラウドファンディング
- 株式投資型クラウドファンディング
- ファンド型クラウドファンディング
- 融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
- 不動産投資型クラウドファンディング
基本的に起案者のクラウドファンディングの成功事例として、紹介されるのは次の2つです。
- 寄付型クラウドファンディング
- 購入型クラウドファンディング
とはいえ、従来の資金調達方法にかわる新しい資金調達方法として、事業や立ち上げや企業をするときに各種クラウドファンディングを活用する機会があるかもしれません。
そこでここでは、7つのクラウドファンディングの概要について解説します。
種類①:寄付型クラウドファンディング
寄付型クラウドファンディングとは、インターネット上で公開されている個人や企業のプロジェクトに、支援者が見返りを求めない寄付として資金提供する資金調達方法のことです。
資金調達方法が寄付型であるため、従来の方法では資金調達しにくかった収益の出しにくい慈善活動のようなプロジェクトが多いのが特徴です。代表的なプロジェクトには、たとえば次のようなものがあります。
- 途上国の農業支援
- 動物愛護活動
- 環境問題対策活動
- 被災地支援
- 難病治療の薬や治療法の開発
- 障害者のためのバリアフリー整備
以上のような事業を自治体やNPO法人、公益財団法人、教育事業者、大学研究機関などが立ち上げているのです。
寄付型なので支援者にはリターンがありません。とはいえ支援者の資金提供の目的は、「事業への資金提供を通して社会を改善すること」だと思います。そのため見返りがなくても、資金提供することで満足感や充実感を味わえるのが寄付型クラウドファンディングの魅力と言えるでしょう。起案者の資金調達成功の鍵は、いかに支援者からの共感や問題意識を得られることです。
種類②:購入型クラウドファンディング
購入型クラウドファンディングは、起案者が事業で開発したサービスや商品を資金提供の見返りとして支援者に渡すクラウドファンディングです。支援者は、クラウドファンディングサイトに掲載されている商品や事業内容から、資金提供するかどうかを決めます。そして資金提供したい場合は、価格設定された商品を選ぶように資金提供するので購入型クラウドファンディングと呼ばれているのです。
購入型クラウドファンディングの事業のジャンルは多岐に渡り、たとえば次のようなものがあります。
- 芸術
- ファッション
- グルメ
- 家電
- フィットネス
- 映画
そのような事業から生まれた商品やサービスを、支援者は受け取れるのです。
種類③ふるさと納税寄付型クラウドファンディング
ふるさと納税型クラウドファンディングは、全国にある自治体が立ち上げた地域課題を解決するための事業へ、支援者がふるさと納税の仕組みを利用して資金提供するサービスです。ふるさと納税とは、納税者が自分の好きな地域に寄付すると、その自治体から特産品などのお返しを受け取りながら、寄付した額が所得税から控除される仕組みのことです。そのふるさと納税の仕組みをクラウドファンディングで実現させるのが、ふるさと納税型クラウドファンディングとなります。
ふるさと納税型で受け取れるリターンには、次のようなものがあります。
- 自治体の特産品(肉・野菜・魚介類・穀物)
- コスメグッツ
- 旅行券
- イベントのチケット
- 衣服
他では購入できない商品を受け取れるでしょう。
種類④:株式投資型クラウドファンディング
株式投資型クラウドファンディングとは、投資家が未上場企業に資金提供して、その分の株式を受け取れるクラウドファンディングです。投資家は、投資先企業の株主となって、経営判断への具申ができます。
企業は、クラウドファンディングサイトに手数料を払う代わりに、クラウドファンディングで資金調達する機会がもらえます。投資家は企業が証券取引所に上場したり、M&Aで売却されたときに大きな金銭的なリターンを受け取れる可能性があります。ただ未上場企業の株式は、自由に売買ができないので、すぐにリターンが得られないことに注意してください。
また企業が業績を伸ばさなければ、全くリターンがない可能性もあります。基本的には、リターンが受け取れなくても困らない程度の余裕資金での投資を心がけましょう。
種類⑤:ファンド型クラウドファンディング
ファンド型クラウドファンディングは企業が行なっている事業に、不特定多数の投資家から募った資金を投資して、事業成果に応じて投資家が配当金を受け取るクラウドファンディングです。企業ではなく、企業の事業に資金提供するのが特徴になります。
ファンド型クラウドファンディングの事業には、社会課題を解決するものが多く次のような取り組みをしています。
- 途上国のインフラ整備
- 最新テクノロジー開発
投資家が得られるリターンは、事業成果に応じた分配金です。また事業によってはサービスや商品を受け取れることもありますよ。
種類⑥:融資型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)
融資型クラウドファンディングは、不特定多数の投資家から資金を募り、企業に融資として資金提供するクラウドファンディングです。そーやるレンディングとも呼ばれています。
融資とは、企業に対して利子と元本の返済を条件に貸し出す資金のこと。投資家は、リターンとして利息と元本の返済を受け取れるのです。ただ企業業績によっては利息を受け取れなかったり元本が返済されなかったりするリスクもあるのでご注意ください。企業はクラウドファンディングサイトに利用手数料と事業成績に応じた分配金を支払います。
種類⑦:不動産投資型クラウドファンディング
不動産投資型クラウドファンディングは、不特定多数の投資家から資金を募り、その資金を使って不動産運用をして運用成績に応じて投資家に分配金を支払う仕組みのクラウドファンディンよなります。
投資対象となる不動産は、次のような種類です。
- 商業施設
- マンション
- アパート
- 一戸建て住宅
- 公共施設
通常の不動産投資では、投資家自ら購入する不動産の情報を収集して購入するかどうかを決定します。またその不動産を売却するのか、賃貸するのかも決めなければなりません。さらに不動産を購入するには、数百万以上のまとまった資金が必要です。一方で不動産投資型クラウドファンディングでは、1万円から投資できる上に不動産の運用はクラウドファンディング事業者に任せられます。
一方、不動産投資信託であるREITも、多くの投資家から資金を集め、いろいろな不動産に投資する仕組みであり、不動産投資型クラウドファンディングと似ています。ただ不動産投資型クラウドファディングは、資金をいろいろな不動産に投資するようになっているのに対して、不動産投資型クラウドファンディングは、集まった資金を特定の不動産に投資します。
投資家が受け取れるリターンは、不動産を売却したときに得られる売却益のキャピタルゲインと、不動産を賃貸して得られる賃貸収益を元にした分配金のインカムゲインです。
不動産投資型クラウドファンディング事業者は、不動産に投資をして貸出先や売却先を募ります。賃貸なら定期的な家賃収入が分配金となり、売却なら購入者からえた売却益が投資家に支払われるのです。運用はクラウドファンディング事業者に任せているので、運用成績によってリターンが変わります。
クラウドファンディングの成功事例
では、クラウドファンディングの成功事例を見ていきましょう。ここで紹介するのは、クラウドファンディングで資金調達を成功させて知名度も高めている事例となります。ここでは網羅的に次の10事例を見ていきましょう。
- 映画「この世界の片隅に」
- 絵本「えんとつ町のプペル」
- ソニー社「HUIS」
- 登山家・栗城史多さんの登山費用
- 折り畳み式電動ハイブリッドバイク「glafitバイク」
- 山田孝之×山口友敬ブランド「FORIEDGE」
- ラジオプレーヤー「Hint(ヒント)」
- アルコール気化ツール「AIRCPHOLIC」
- 日本酒「雪どけ酒」
- アイスメーカー「Opal Nugget Ice Maker」
成功事例①:映画「この世界の片隅に」
日本のクラウドファンディングの成功事例として、最も有名なのが2016年11月に公開された片渕須直監督のアニメーション映画「この世界の片隅に」です。購入型クラウドファンディングで支援者を募集し約3,900万円を集めて制作、公開まで達成しました。はじめは、ミニシアターでの上映をメインにされていたそうですが、SNSでの口コミが広がり全国での公開まで発展したのです。その興行収入は、27億円まで到達しました。
購入型クラウドファンディングでの成功の背景には、支援者が「この世界の片隅に」の制作メンバーになれることでしょう。というのも、購入型クラウドファンディングで購入できるのは、映画制作や制作スタッフミーティングへの参加券なのです。
「映画制作に関わってみたい」、「自分たちで有名な映画を作ってみたい」、「有名な監督と仕事ができるなら、お金を払ってでも参加したい」というような気持ちを促せたのが、成功の鍵だったのではないでしょうか。
成功事例②:絵本「えんとつ町のプペル」
お笑い芸人でコンビ、キングコングを組んでいる西野亮廣さんが手がけた絵本「えんとつ町のプペル」の個展を入場無料で開催するプロジェクトが、クラウドファンディングで大成功を納めました。今でこそ西野亮廣の「えんとつ町のプペル」は有名で、高い人気を誇っていますが、その作品が注目を集めたのはクラウドファンディングがきっかけと言えるでしょう。
西野亮廣の「えんとつ町のプペル」は、購入型クラウドファンディングで資金調達が開始され目標金額180万円に対して、4,600万円以上を集める大成功となりました。
価格設定n幅が広く3,000〜30万円までのリターンが設定されているのが特徴です。うまく支援者の興味関心や欲求を抑えたリターン設定が成功した要因かもしれません。
成功事例③:ソニー社「HUIS」
大手家電メーカーであるソニー社が開発した「HUIS REMOTE CONTROLLER」(以下「HUIS」)が、クラウドファンディングであっという間に目標金額を達成させました。「HUIS」は、家にあるすべてのリモコンの機能を、覚えられる学習機能を持ったリモコンです。
その最新鋭のテクノロジーと利便性の良さから注目があるまり、クラウドファンディングの成功に繋がりました。利用したクラウドファンディングサイトは「First Fight」と呼ばれるEコマースとクラウドファンディングを掛け合わせたサイトです。支援者募集開始から、25時間という異例の速さで目標金額を達成しました。
成功事例④:登山家・栗城史多さんの登山費用
登山家である栗城史多さんが立ち上げた、エレベストへ登山してその風景を生中継するというプロジェクトが購入型クラウドファンディングで大成功を納めています。1,800万円の目標金額に対して、集まった資金は2,000万円以上。栗城史多さんは費用のかかる登山に、挑める環境を作られました。
リターンは、エベレストからの生中継映像といって支援者にとって魅力的なものです。他にも栗城史多の講演など、価格設定の異なる多数のリターンが用意されていました。
成功事例⑤:折り畳み式電動ハイブリッドバイク「glafitバイク」
購入型クラウドファンディングサイトのMakuakeで、自転車と電動バイクを融合させた株式会社ファイントレーディングジャパンによって開発された自転車と電動バイクを融合した「glafitバイク・GFR-01」の先行販売がされて、資金調達を成功させています。
募集開始からわずか3時間で、目標金額である300万円を達成しています。「glafitバイク・GFR-01」は、1台17万2,480円と決して安くないにも関わらず、瞬く間に売れていき、プロジェクト開始から2ヶ月半後には1億2,800万円を集めることになったのです。
成功事例⑥:山田孝之×山口友敬ブランド「FORIEDGE」
株式会社「FORIEDGE」は、俳優の山田孝之さんと腕時計ブランド「BRILLAMICO(ブリラミコ)」を手がけていることで有名な山口友敬さんによって共同で立ち上げられました。事業は、伝統工芸品である江戸ガラスを使ったグラスの製作・販売です。その株式会社「FORIEDGE」は、購入型クラウドファンディングサイトであるMakuakeで、グラスの製作・販売の資金調達を行いました。
製作されたグラスは、次の6種類です。
- 赤ワイングラス
- ゴブレット
- シャンパングラス
- 白ワイングラス
- コンポート
- 日本酒グラス
ユニークで絶妙なデザイン性とがヒットして、600万円以上の資金調達に成功しています。
成功事例⑦:ラジオプレーヤー「Hint(ヒント)」
ニッポン放送とCerevo、グッドスマイルカンパニーの3社によって手がけられたラジオプレーヤー「Hint(ヒント)」が、クラウドファンディングを通じて開発されました。「Hint(ヒント)」は、円柱型のスタイリッシュなデザインで、全方向360度に音が届くようになっているのが特徴。これまでにない、新しいラジオプレーヤーとして宣伝されていました。
クラウドファンディング限定デザインを準備して、支援者の人気を集めたことによって目標金額1,300万円のところ、3,000万円以上の資金調達に成功しています。
成功事例⑧:アルコール気化ツール「AIRCPHOLIC」
「NatureGift Technology Inc.」という食品テック技術を開発する台湾のベンチャー企業が、行ったクラウフォファンディングも注目を集めました。「NatureGift Technology Inc.」は、「AIRCPHOLIC(エアクフォリック)」という加熱によりアルコールを気化させて、アルコールの蒸気を楽しむ製品を開発。
日本での先行販売を実現するために、MotionGalleryというクラウドファンディングサイトで、プロジェクトを発表して1,400万円以上の資金調達に成功したのです。これまでにない新しい、お酒を楽しむための製品として支援者の心をつかみました。
成功事例⑨:日本酒「雪どけ酒」
購入型クラウドファンディングサイトを運営するMakuakeと、大手家電メーカーであるシャープ株式会社の社内ベンチャーである「TEKION LAB(テキオンラボ)」、日本酒製造会社である「石井酒造」の3社が共同で企画した日本酒「冬単衣(フユヒトエ)」が、クラウドファンディングでの資金調達を通して開発・販売されました。
「−2℃で味わう新しい日本酒体験」をコンセプトにこれまでになかった、新しい日本酒を作ったのです。その商品の斬新さのよって目標金額100万円のところ1,900万円弱の資金が集まりました。
成功事例⑩:アイスメーカー「Opal Nugget Ice Maker」
最後は、アメリカのクラウドファンディングの事例です。アメリカの大手電機メーカーである「General Electric Company」が開発した家庭用ナゲット・アイス製氷機「Opal」がクラウドファンディング上で販売されました。その使い勝手の良さから人気と注目が集まって瞬く間に、購入者が増えていったそうです。アメリカの「Indiegogo」というクラウドファンディングサイトで、資金調達を最終的に約3億円を集めました。
クラウドファンディングの成功に必要なポイント
クラウドファンディングで資金調達を成功させるには、事業ごとの魅力を伝えなければなりません。しかし成功するポイントには、次のような共通点があります。
- 目標を明確にする
- 情報発信で支援者の共感を得る
- 綿密な事業計画
- 魅力的なリターンを準備する
- 魅力的なプロジェクトページを作る
それぞれ、確認していきましょう。
ポイント①:目標を明確にする
クラウドファンディングで資金調達を成功させるには、明確な目標設定が重要です。その理由は、目標設定があるからこそ人の共感を得られるからです。たとえば、身近にいる友達の夢が「環境問題を解決すること」だとして、その理由を聞いても「なんとなく」としか返事されなければ共感を持てませんよね。もしくは「本当に大丈夫かな?」と心配になってしまうことすらあるでしょう。
同じことがクラウドファンディングでも言えます。目標を明確にするために、次のようなことをあらかじめ決めるようにしてください。
- 事業の目的
- 事業の目標
- 事業をする動機
- 事業の対象者を明確にする
目標を明確にすると、支援者からの共感を得られるだけでなく、自分たちのしなければならない行動も明確になるはずです。
ポイント②:情報発信で支援者の共感を得る
クラウドファンディングサイトは、インターネットを通じて広く多くの人に事業情報を届けられる仕組みです。しかしクラウドファンディングサイトに訪れる人は、もともとクラウドファンディングに関心のある人たちに限られてしまいます。つまりクラウドファンディングだけでは、情報を届ける相手として不十分であるということです。
そこでFacebookやTwitter、Instagram、YouTube、ブログなどのSNSで継続的に広く多くの人に情報を届けるようにするのがおすすめです。情報発信で大切なのが「共感」です。なぜなら人は「共感」するからこそ、応援したくなるから。
その「共感」を生むのに役立つのが明確な目標です。事業の目標を明確に、情熱を持って継続的に情報発信できれば支援者を増やせる可能性が高まるでしょう。
ポイント③:綿密な事業計画
クラウドファンディングで資金調達す流には、綿密な事業計画を練り上げておきましょう。なぜなら、綿密な事業計画があれば支援者からの信頼感を得られるからです。事業計画を立てるには、次のようなことを決めましょう。
- 事業の実施に必要な資金とその内訳
- 事業のスケジュール
- 事業の具体的な実現方法
事業計画を根拠を持って立てられると、支援者はその事業に納得感と信頼感を持って資金提供できるのです。また起案者側にも事業に自身が持てますし、計画倒れする危険性も少なくなります。
ポイント④:魅力的なリターンを準備する
魅力的なリターンを準備するのも、クラウドファンディングでの資金調達を成功させるひとつの鍵です。リターンがあると、事業の付加価値になります。世間がどのようなものを求めているかを考え、その事業からでしか得られない価値をリターンにこめるのがいいでしょう。リターン設定のコツは、次の章で詳しく紹介します。
ポイント⑤:魅力的なプロジェクトページを作る
プロジェクトページとは、クラウドファンディングサイトで事業の詳細情報を伝えるページのことです。どんなに事業が魅力的でも、その情報を支援者に見てもらえなければ資金調達はできません。そのため、できるだけ情報をわかりやすくかつ魅力的にまとめたプロジェクトページを作るようにしてください。
その際は、次のようなことを意識するのがおすすめです。
- 事業のタイトルを、支援者の興味をひくものにする
- リターンや事業の画像・動画を入れる
- 文章をわかりやすく、見やすいものにする
制作したら、必ず複数人で確認し合うようにしましょう。さらに信頼のおける事業とは関係ない第三者にも目を通してもらいフィードバックをもらうのがベストです。
支援者を惹きつけるリターン設定のコツ
購入型クラウドファンディングを利用する場合は、リターンの扱い方によっても支援者からの反応が大きく変わります。そこでここでは、次の支援者を惹きつけるリターンの設定方法を紹介します。
- 期間限定にする
- 複数のリターンを準備する
- 高額なリターンを準備する
- 値引きする
- 気軽に購入できるリターンを準備する
- リターンのイメージがわく画像を準備する
ポイント①:期間限定にする
リターンの設定を、期間限定のものにすることで、支援者に特別感を感じさせる工夫です。商品やサービスを購入する消費者は、いつでも購入できる商品よりも、期間限定で今しか手にはいらないときに、そこに付加価値を感じて購入が菟上される傾向にあります。そのため、商品を掲載する際に、期間限定であることを訴求するのがおすすめです。
ポイント②:複数のリターンを準備する
リターンは、複数のものを準備することで幅広く支援者のニーズを取れるようにしましょう。また価格設定を変えることで、支援者にあった宣告ができなるような工夫をすることも大切です。
とはいえ、人間には「選択のパラドクス」という心理反応があることに注意してください。「選択のパラドクス」とは、人はいろいろな選択肢があることを好むのにも関わらず、選択肢が多すぎると選ぶことに疲れて決断をしなくなるという心理的な動きのことです。そのため、選択肢を多くしすぎず3〜5つくらいに絞るようにしましょう。
ポイント③:高額なリターンを準備する
高額なリターンをひとつ準備しておくことで、そのリターンよりも安いリターンに注目させる工夫です。つまり支援者の購入できる価格幅を広げさせるのが狙いです。人は価格について、相対的な評価をするものです。
たとえば、普段1万を支払わないを買えないような商品が8,000円で購入できるようになったら安さを感じます。8,000円という出費自体は安くないものの、相対的に安くなるとお得感を感じて、購入意欲が促されるのです。そのため、あえて高額なリターンを準備することで他のリターンを安く感じさせて支援者からの資金提供を募るのです。
ポイント④:値引きする
高額なリターンを準備するのと同じように、高値のリターンを値引きするように演出することでも、支援者の資金提供を促せます。人は値引きされると、特別感を感じて「今、買うのがお得」と無意識に算段してしまうものです。その心理的な動きを、上手に生み出すのがリターンの値引きなのです。
ポイント⑤:気軽に購入できるリターンを準備する
一方でそもそも心理的なハードルを感じさせない価格のリターンを準備するのもいいでしょう。低価格で設定すれば、支援者の心理的なストレスを感じさせずに、資金提供を促せるでしょう。以上のように価格設定には、さまざまな戦略があるので、事業にあった戦略を試しながら最適のものを作っていきましょう。
ポイント⑥:リターンのイメージがわく画像を準備する
リターンは、言葉で説明してもイメージがわきません。そこで必ず具体的なリターンのイメージがわくわかりやすくてクリアな画像を掲載するようにしてください。特に、魅力的な画像を作成できればベストです。
クラウドファンディングで支援者を募る際の注意点
最後に、クラウドファンディングで支援者を募る上で、次の3つの注意点を紹介します。
- 必要経費を目標金額に含んでおく
- 誠実に情報発信する
- ユーザーのニーズに応える
注意点①:必要経費を目標金額に含んでおく
目標金額は、事業を実現するのに必要な金額だけでなく、その他の必要経費も含めておきましょう。必要経費とは、次のようなものがあります。
- 宣伝・広告費
- 接待・交通費
- 支援者にリターンを届ける梱包・郵送費
そのようにすれば、事業に十分な資金を振り分けられるはずです。
注意点②:誠実に情報発信する
当然のことながら事業の情報発信をするときは、誠実に行いましょう。資金調達に有利になるように、虚偽の情報を掲載したりステルスマーケティングを利用したりするのは、明るみになると信頼性を失って長期的なデメリットになります。
注意点③:支援者のニーズに応える
支援者のニーズに応えられると、多くの支援者からの資金調達を得られる可能性が増します。そのため、支援者が何を求めているかを論理的に考えるようにしましょう。その際にはマーケティングの手法を用いて、事業情報を支援者に届きやすくするのがベストです。くれぐれも支援者を無視した自分よがりの事業にはしないようにしてください。
まとめ
クラウドファンディングでの資金調達は、想像以上に難しいものです。とはいえ、世の中のニーズを捉え、試行錯誤しながら誠実に取り組んでいけば必ず資金調達のチャンスが来るはずです。
クラウドファンディングで資金調達を成功させるためには、支援者が何を求めているのか、これまでのクラウドファンディングで成功した事例はなぜ成功したのかなどを論理的に考える必要があります。その上で、個性として自分のプロジェクトを身が行く行くようにしましょう。
その際は、本記事を参考にしていただければ幸いです。