自宅の外壁塗装を塗り替える際に、もっとも重要となるのが塗料の色でしょう。どのような色にするかによって外観が大きく変わってきます。
ただ、塗料のカラーバリエーションはかなり豊富です。そのため、色見本をみただけでは、全体的なイメージがわきにくく選択するのに迷ってしまうこともあるでしょう。
そこでこの記事では、外壁のカラーを選択するのに便利な外壁カラーシミュレーションアプリについて解説します。多くの塗料メーカーなどが提供しているアプリがありますので色々と試してみることもおすすめです。
ただし注意点もあるためよく理解してから使用するようにしましょう。
おすすめ外壁カラーシミュレーションアプリ10選
カラーシミュレーションは、塗料メーカーなどが開発したアプリと、Web上で使えるツールがあります。比較的使いやすいアプリとツールについて厳選した10点を紹介します。
日本ペイント ハナコレクション
大手塗料メーカーでもある日本ペイントが展開しているのが日本ペイント ハナコレクションです。塗料メーカーならではのおすすめ配色を参考にできる点はメリットです。
どのようなライフスタイルを希望しているかをベースに塗装のカラーを選択してくれるシステムも組み込まれています。また、外壁塗装で失敗しがちな、窓枠や玄関ドアなどとの色合わせについても事前に確認することが可能です。
既存のイメージではなく自宅の具体的な配色を考えたい場合には、自宅の画像を取り込むことで1から配色を試すこともできます。ほかのアプリと比べると配色の自由度は低めですが、簡単にでもイメージを具体化したいという人にはおすすめのツールです。
Nippon Paint Colour Creations
携帯やタブレットで気軽に配色を試してみたい人のために、日本ペイントが開発したアプリがNippon Paint Colour Creationsです。
指先で色を選択して塗りたい場所をなぞるだけで、色を塗ることができる手軽さが人気となっています。シミュレーションした結果は保存することができるため、家族で共有する際にも便利です。
小林塗装 外壁塗装のカラーシミュレーション
小林塗装が提供するカラーシミュレーションの特徴は、細部までカラー設定ができる細かさにあります。
まずは希望の外観を12種類のスタイルから選択します。選択したスタイルはパーツごとに配色することが可能となっているため無限に配色を試すことができます。
スタイルは4方向に回転するため住宅全体のイメージをつかむのにも役立ちます。
関西ペイント Re:paint
大手塗料メーカーの関西ペイントが展開するのは、Re:paintです。選択できる住宅パターンは4種類と少なめですが、カラーバリエーションは豊富に展開されています。
カラーはモダンテイスト、カジュアルテイストなどイメージごとに用意されているため色選びで迷うことが少ない点はメリットです。
外壁だけでなく、細かなパーツごとに配色することも可能なため、住宅全体のイメージをつかむのに役立つ点も利用価値の高さにつながります。
カラーは関西ペイントの標準色だけでなく、日本塗装工業会の色見本からも選択可能となっています。ただし、このツールを使用するにはデバイスにAdobe Flash Playerがインストールされている必要がある点には注意が必要です。
ホームテック カラーシミュレーション
ホームテックが提供するカラーシミュレーションは、6種類のスタイルから外観を選ぶところからスタートします。4種類が洋風、2種類が和風のスタイルとなっています。選択できるカラーバリエーションは40種類です。
外壁以外にも屋根やサッシ、雨どいの色も配色可能な点は特徴です。スタイルとカラーバリエーションが少なめな点は大手メーカーには劣りますが、豊富すぎると迷ってしまい結果的に決められなくなりそうだと感じる人にはおすすめのツールです。
スズカファイン i Color Paint
iPad専用アプリとして展開されているのがi Color Paintです。名前の通り、iPadでしか使用することができない点はデメリットですが、簡単な操作でかなり細部までカラーを配色できる点はメリットです。
カラーバリエーションは800種類におよびます。自宅の写真を撮影すれば、指先ひとつで簡単に配色を試すことが可能です。作り上げた配色は、プリントアウトできるため、業者との打ち合わせの際に利用することも可能となります。
iPadを普段から利用していて、自由度の高いカラーシミュレーションを希望している人にはおすすめのアプリといえます。
eペイント カラーシミュレーションWEBアプリ
eペイントが提供するカラーシミュレーションWEBアプリは、パソコン、タブレット、スマートフォンのいずれでも使用できる点が特徴です。インストールなどは必要なくネット環境さえあればいつでもどこでも利用可能です。
スマートフォンで作成したシミュレーションは、画像として送信することも可能です。タブレット、パソコンで作成したものはPDFとして保存することができます。
カラーについては、メーカー標準色以外に日本塗装工業会の色見本も利用することが可能です。自宅の画像も使えるため、リフォームの際にも細かく配色を考えることができます。
ただし無料では使えず月額1,000円の利用料がかかる点には注意が必要です。
エスケー化研 住宅塗り替えシミュレーション
塗装メーカー大手3社に入るエスケー化研が提供するのは、REPAINT SIMULATORです。CGを使用したシミュレーターはリアルさを追求している点で人気です。
住宅だけでなく、マンションや工場の配色にまで対応している点は最大の特徴です。外壁塗装で失敗しやすい、周囲の住宅との色合いの調和性もこのツールであれば事前にしっかりと確認することができます。
背景まで取り込んだシミュレーションで自宅と近隣のカラーバランスをチェックしましょう。カラーバリエーションは150色と豊富に用意されています。
スタイルは5パターンと少なめですが、部分配色はかなり細かな部分まで配色可能なためよりリアルな配色を試してみたい人にはおすすめです。
グッドホーム 塗装カラーシミュレーション
グッドホームの塗装カラーシミュレーションは、2種類のスタイルから選択してから配色をスタートします。カラーバリエーションは100色以上が用意されています。洋風スタイルは、1階と2階の外壁と屋根の配色が可能です。
一方の和風スタイルは外壁の色は選べますが、屋根の色は固定された状態になっています。選べるスタイルは少なめですが、とにかく簡単にでもカラーシミュレーションをしたいという人にはおすすめです。
ケイミュー 外観シミュレーション
ケイミューが提供する外観シミュレーションは、カラーだけでなく外壁の張り替えを検討している場合にもおすすめのツールです。
塗装と張り替えで迷っている場合には利用してみるとよいでしょう。3Dモデルを使用しているため、外観を細かく角度調整しながらチェックできる点はメリットです。
外壁カラーシミュレーションアプリの注意点
外壁の色を決めるのに悩んでいる人にとっては、具体的なイメージがわきやすいカラーシミュレーションアプリは利用価値の高いツールといえます。ただし、ツールだけで色を決定してしまうことには多少の懸案があります。
ここでは、外壁カラーシミュレーションアプリを利用する際の注意点について解説します。
カラーシミュレーションと現実は違う
カラーシミュレーションは、あくまでもシミュレーションであるという点はよく理解しておく必要があります。デバイス上で確認する色と現実に塗装した際の色には、多少の違いが出るためその違いについて注意が必要です。
外壁の色の見え方は、面積や太陽光に影響を受けます。面積効果については、明るい色は面積が大きくなるほど明るさが増し、暗い色は面積が大きくなるほど暗さが増すという現象です。
デバイス上で見えるサイズには限界があるため、実際のサイズで塗装してみると予想よりも明るすぎたり暗すぎたりすることもあります。また、太陽光の強さや弱さによっても色の見え方が変わります。これを反射率と呼びます。
さらには、外壁の下地の種類によって塗装の模様やつやにも違いが出ます。これによって色あいが変化することもあります。このように、外壁の色はさまざまな要因でイメージと異なる可能性がある点はよく理解しておきましょう。
周囲の景観は考慮されていない
ツールのほどんどは平面でのシミュレーションになります。中には、3DやCGを用いて周辺の外観まで取り込んでシミュレーションしてくれるものもあります。
ただ、ほとんどの場合が住宅のみの配色を考えるためのツールであるため、自分の中で満足した配色ができたとしても、周囲の外観の中にはめ込んで見ると浮いてしまう可能性がある点には注意が必要です。
さらに、地域によっては景観条例が適用されていて色の制限がかかっている場合もあるため、事前にしっかりと確認しておくことをおすすめします。
シミュレーションで質感までは再現できない
先ほども説明したように、ツールやアプリはあくまでも平面上でのイメージになります。そのため実際の塗装の質感や、つや感を感じることができない点には注意が必要です。
外壁のイメージを決定するのは色だけでなく、質感も大きな要素となります。質感については外壁材も大きく影響するため、自分で判断することが難しい場合には、専門業者と一緒にシミュレーションを行うことも重要です。
外壁塗装のカラーで失敗しない手順
外壁塗装のカラーには多くのバリエーションがあります。豊富なカラーの中から自分の希望にあったカラーを選ぶのは、難しい作業となることもあります。
そこでここまでに説明したカラーシミュレーションアプリやツールを利用することも検討してみましょう。ただし、注意したい点もあるため、ここでは外壁塗装のカラーで失敗しない手順について解説します。
外壁カラーシミュレーションアプリは参考程度にする
ここまで説明してきたように、外壁カラーシミュレーションには便利な点もあれば注意したい点もあります。特に気をつけておきたいのは、シミュレーションと現実は異なる可能性が高いという点です。
あくまでも、外壁のカラーの方向性を決めるために使うということを念頭に置いておくことが大切です。使い方としては、シミュレーションである程度決定したカラーを専門業者に見せて、一緒に検討するというものがベストでしょう。
自分で決定してしまって色指定をしてしまうと、実際に塗装をしたあとでイメージと異なるなどのトラブルが起こる可能性も出てきます。そのため、カラーシミュレーションアプリはあくまでも参考程度に使用することをおすすめします。
外壁塗装を依頼する業者を探す
完璧な塗装を希望しているなら、信頼できる業者に塗料の色についても相談してみることも検討してみましょう。業者を選ぶ際には必ず見積もりを取ります。
塗装には費用がかかるため、複数の業者に相見積もりを取りましょう。相見積もりを取ることで、費用の相場を把握することができます。
複数社に見積もりを取る場合には、一括見積もりサイトが便利です。忙しい人にとっては見積もりを取るだけでも大変な作業となるでしょう。そこでおすすめなのは一括見積もりサイトです。
一括見積もりサイトでは、一度自分の情報を入力するだけで希望にあった複数の優良な業者に一括で見積もりを出してもらうことができる点がメリットです。
一括で複数社に見積もりが取れる外装塗装業者紹介サービス「Excite外壁塗装」なら、自社独自の厳しい審査基準を満たしている業者のみと提携しています。
そのため、安心して見積もり依頼をすることができると同時に信頼できる業者を見つけて安心して施工を行いましょう。
業者と使う塗料の種類まで相談する
塗料にはさまざまな種類があるため、カラーだけでなく塗料の特徴や耐用年数などもしっかり考慮して選択する必要があります。
塗料の種類 | 耐用年数 | 平米あたりの単価 |
---|---|---|
アクリル系塗料 | 4〜7年 | 1,000〜2,000円 |
ウレタン系塗料 | 6〜10年 | 1,800〜2,000円 |
シリコン系塗料 | 8〜15年 | 2,500〜3,500円 |
ラジカル塗料 | 8〜15年 | 3,500〜4,000円 |
ピュアアクリル塗料 | 12〜15年 | 3,500〜4,500円 |
フッ素系塗料 | 15〜20年 | 3,500〜4,500円 |
セラミック塗料 | 10〜15年 | 5,000〜5,500円 |
光触媒塗料 | 10〜15年 | 5,000〜5,500円 |
遮熱系塗料 | 15〜20年 | 5,000〜5,500円 |
外壁の色を決める際には、塗料の特徴などについても業者としっかり打ち合わせをすることで、イメージにより近い塗装を実現することができるでしょう。
自宅の外壁で試し塗りをする
塗装が完了してからのトラブルを回避する方法として、自宅の外壁に実際に試し塗りをしてみるという方法があります。
塗料の色は光の加減によって色合いが異なるため、朝昼晩と時間帯をずらして、試し塗りした外壁をチェックすると、見え方での間違いが少なくなるためおすすめです。
外壁カラーシミュレーションアプリは過信しない
外壁カラーシミュレーションアプリとツールについて解説してきました。もっとも大切なのは、アプリはあくまでも参考程度に利用するという気持ちを持っておくことです。
説明したようにアプリは平面での表現しかできないため、実際に塗装した場合とはイメージが異なることが多いからです。アプリは参考程度にとどめて、アプリで気に入った色合いをプロの業者に見せて相談することが大切です。
面積や光の加減などによって塗料の色あいが変化することをしっかり理解している業者であれば安心して塗装を任せることができるでしょう。