麦焼酎のおすすめ銘柄について、有名産地の専門家に聞きました。無色透明でほのかに麦の香りが残る麦焼酎は、ヘルシーで飲み方も自由。でも、他のアルコール飲料と比べて「...
麦焼酎のおすすめ銘柄について、有名産地の専門家に聞きました。無色透明でほのかに麦の香りが残る麦焼酎は、ヘルシーで飲み方も自由。でも、他のアルコール飲料と比べて「味がない」と思っていませんか?今回はそんな麦焼酎の魅力に目覚める情報がいっぱいです。近ごろ人気のプレミアム商品や、口コミで話題の美味しい名酒も一挙公開。父の日のプレゼントに喜ばれるのは?よく合うおつまみは?地元で人気の飲み方などもシェアします!
ママアイテム編集部
2003年頃に始まった「本格焼酎」ブームから人気の衰えない麦焼酎。新たな人気銘柄も増えています。お気に入りの銘柄を選ぶときのチェックポイントは以下の4つです。
麦焼酎の香りを決めるのは、主原料の大麦と麹(こうじ)のタイプです。
麹は麦を発酵させる麹菌のタネで、米を媒体とする「米麹」と、麦を使って菌を培養する「麦麹」の2タイプがあります。また、それぞれの麹には以下のような特徴があります。
・米麹……米焼酎や芋焼酎に使われることが多い麹で、「壱岐焼酎」が代表的です。
壱岐焼酎は麹だけでなく原料の3分の1を米が占めるため米の甘味が強く、相対的に麦の香りも感じられます。
・麦麹……麦焼酎に使われることの多い麹で、「麦100%」と表現されることもあります。
ビールをイメージしてもらえば分かるように、どこまでもサッパリした口当たりと軽快な香りが特徴で、人気の高い「大分焼酎」がその代表です。
焼酎は原料となる穀物によって味わいが違いますが、同じ麦焼酎でも産地やメーカーによって風味と香りに個性があります。以下は麦焼酎で有名な産地と、それぞれの味の特徴です。
・宮崎……焼酎全体の生産量・売上高ともに全国トップを誇る焼酎の本場で、蔵元の数は38を数えます。
地形が南北に長い農業県で、気候と文化のバリエーションも幅広いことから焼酎も個性豊か。麦以外にも、芋、米、ソバ、トウモロコシなどを原料とした製品が数多く出回っています。
・大分……ごく庶民的な飲み物を「下町のナポレオン」と称し、斬新なイメージチェンジで一大ムーブメントを巻き起こした焼酎の聖地です。
「大分麦焼酎」のブランドは、麹を含めた原料に麦しか使っていない製品のための商標です。
焼酎は麹と穀物で作った醸造酒をさらに蒸留することで生まれる「スピリッツ」で、全国の焼酎メーカーでは原料や麹だけでなく、蒸留法にも独自のこだわりをもっています。
ちょっと難しそうな印象ですが実はシンプルなので、好みの味を探す時の目安にしてみてください。製品の裏ラベルに記載されている醸造方には主に次の2タイプがあります。
・常圧蒸留……シンプルな伝統製法で、90度から100度の温度で蒸留します。原料の持つ風味や雑味を多く残しているため、個性の強い焼酎になります。
・減圧蒸留……蒸留器内の気圧を下げることで沸点を下げ、40度から50度で蒸留します。水よりも沸点の低いアルコールだけを取り出すことができるので、雑味を含まないクリアな味わいの焼酎になります。
経済的なイメージの強い焼酎ですが、実際は?それぞれの価格帯をチェックしてみましょう。
最安値価格帯 | 売れ筋価格帯 | 高級価格帯 | |
---|---|---|---|
価格と商品名 | ・596円~ 宮崎酒造「金宮 20度」720ml | ・1,500円 二階堂酒造「二階堂 麦 25度」1,800ml | ・~11,000円 黒木酒造「 百年の孤独」720ml |
主な特徴 | まろやかで口当たりの良い焼酎。下町の昔ながらの味わい。 | 地元でも人気。クセがなく、程よいのどごしを楽しめる。 | 焼酎というよりウイスキー。濃厚で芳醇な麦の存在感が特徴。 |
日本酒の価格と比較されることの多い焼酎は、発酵に使われている「黒麹」の菌が高温に強く管理しやすいことや、製法のシンプルさなどからコストを抑えることが可能です。
高級な焼酎はボトルやパッケージデザインもおしゃれで、ウイスキーのように熟成させた年代ものに人気が集まっています。
原価数千円の製品でも驚くほど価格相場が跳ね上がっていたり、なかなか手に入らない「幻の逸品」が多いのも特徴です。
麦焼酎で特に有名な人気メーカーは次の3つです。焼酎と言えば九州ですが、生産高では2014年に鹿児島県を抜いて宮崎県がトップになっています。
大分県にある1866年(江戸 慶応元年)創業の酒造メーカで、焼酎の製造は戦後になってから。1974年(昭和49年)に初めて麦100%の焼酎を発売した元祖です。あまりの切なさで印象に残るテレビCMでもおなじみです。
二階堂と並ぶ大分県の代表メーカー。麦焼酎の売上高は宮崎県の大手「霧島酒造」に次ぐ国内第2位で、焼酎のほかワインや日本酒も生産しています。全国的な焼酎ブームの立役者「いいちこ(iichicko)」は1979年(昭和54年)に登場しました。
バカラ製のボトルに詰まった高級焼酎「百年の孤独」で知られる宮崎県のメーカーです。1885年(明治18年)の創業で、「野うさぎの走り」「爆弾ハナタレ」など、おしゃれでユニークなネーミングの焼酎が目を惹きます。
今回おすすめする焼酎の比較ポイントです。それぞれの特徴を手がかりに、お好みの味を探してみてください。
今回ご紹介する「本格焼酎」は、酒税法で原料や添加物の表示を義務づけられた「単式蒸留(旧 乙類)」のスピリッツで、その中でも特に厳しい基準をクリアした銘柄だけが「本格焼酎」と呼ばれます。
本格焼酎の原酒はアルコール度数が36度前後あり、加水によって調整しています。
対して、韓国焼酎に代表される「連続式蒸留(旧 甲類)」には原料などの表示義務がなく、連続蒸留で95度以上の高濃度に高めたアルコールを水で薄めたものです。
それぞれ長所があり用途によって使い分けられていますが、焼酎本来の味わいを楽しみたい時には「本格焼酎」と表示されたものを選びましょう。
今回ご紹介する人気銘柄の中でも、特に気になるおすすめ焼酎をご紹介しています。これから焼酎を始める方にも、ぜひ手に取って頂きたい商品です。
麦100%・大分焼酎の発祥ブランド「二階堂」をさらに熟成させた最高級銘柄で、陶器製の壺に入った素朴なビジュアルがお土産にもピッタリ。
スッキリとしたキレを持つ白麹と雑味のない減圧蒸留により、まろやかな飲み口や芳醇な麦の薫りが楽しめる焼酎です。
容器は手描き文字の数量限定品で、同じ壺のデザインを模した四合瓶(720ml)のガラスボトルも発売されています。
「吉四六」とは大分県に伝わる民話の登場人物で、とんちに強い村のお百姓さんというキャラクター。
その昔、年貢の取り立てに苦しむ農民の味方だった土地の庄屋がモデルとも伝えられ、地元では「きっちょむさん」の名で親しまれています。
ゆるキャラとしてはもちろん、ローカルイベントでは生の吉四六が奥さんのオヘマとともに現れ、コミカルな寸劇を披露することも。
二階堂の「吉四六」は、大分県を象徴する吉四六と麦焼酎がコラボした素朴なご当地の人気者です。
「焼酎は臭くてカラい」と言われたのは、クセの強い芋焼酎が主流だった昔のはなし。スッキリとした麦焼酎には、初心者でも飲みやすい銘柄がたくさん出回っています。
天然のミネラルをたっぷり含んだ日本百名水のひとつ「綾の湧水群」の湧水を仕込みや割り水に使用した本格焼酎で、「ちょっといい麦焼酎」がコンセプト。
インパクトの強い黒麹の焼酎は、伝統的な「甕(かめ)貯蔵」によってほんのりと甘くて飲みやすく、まろやかな口当たりに変わります。ロックで飲むと持ち味の良さが感じられるでしょう。
時に「エグみを感じる」と表現される麦焼酎独特の刺激がないので、普段あまり焼酎を飲まないという方もおいしく味わえます。
蔵元である雲海酒造は、「そば焼酎」を開発した宮崎県の大手メーカー。綾町をはじめ、宮崎県を中心に5か所の酒蔵を持ち、それぞれに個性豊かな焼酎を製造しています。
名前の由来にもなっている宮崎県綾町は、総面積の80%が豊かな原生林に囲まれた山郷で、観光地としても人気のスポット。ユネスコの生物圏保存地域に指定されたことでも知られます。
九州山地東部の尾鈴山を流れる伏流水を使用し、原料の農法にもこだわった焼酎造りで有名な黒木本店の定番ブランドです。
麦焼酎の最高峰ともいわれる高級ブランド「百年の孤独」の原種にもなっている人気銘柄で、濃厚でコクのある「百年」に比べ軽やかな飲み口が特徴。
麦本来の上品な香ばしい風味も感じられ、口に含むとキャラメルのような風味が広がります。
また、温めのお湯割りにすると穀物特有の甘さに深みが加わり、甘味を引き出すロックや水割りにも向いています。
焼酎の度数には銘柄によって20度と25度の2タイプがありますが、これは戦後間もなくヤミ市で密造酒が横行したことに由来するもので、税収を上げるために25度の度数を落して価格を下げた政策の名残と言われています。
主流は25度なので幻の焼酎と言われる銘柄でも20度なら手に入ることがありますが、どちらがおいしいかと問われれば「好みによる」と言うべきでしょう。
ひとつの考え方としては、25度の焼酎を水で割ったものが20度の商品なので、25度をいつも水割りで飲むのなら始めから20度を購入した方が「お得」ということになります。
スロストガラスのボトルデザインがクールな「下町のナポレオン」が、さらにワンランク上のまろやかでコクのある味わいの「いいちこ」になっています。
厳選された大麦と地下300mから汲み上げられる天然水、蔵付きの「いいちこ酵母」で作られたベーシックに、全麹仕込みの原酒と、ウイスキーのようにオーク樽で熟成させた貯蔵酒をブレンド。
通常の焼酎は麦麹に蒸した麦を加えて発酵させますが、伝統的な「全麹」造りは原料の全てが手間のかかった麦麹というダイナミックな製法です。
さらに、減圧蒸留と常圧蒸留のダブル蒸留。香りと味わいを引き出した複雑な味わいは飲み飽きることがありません。
ちなみに、焼酎も樽に入れるとウイスキーのように色が付きますが、国税庁の規定であまり濃くなってはいけないのがルールで、厳しく管理されています。
その理由は定かではありませんが、区別がなくなってしまうと何か不都合なことがあるのかもしれません。
いつの間にか口コミが広がり、なかなか手に入りにくくなってしまった焼酎は多いですが、「兼八」もそんな銘柄のひとつ。
その香ばしい香りから「麦チョコの味」がすると話題になり、瞬く間に噂が広がりました。麦ならではの甘味とバランスの良さが魅力の、スマートな味わいです。
特徴は他にもあり、焼酎の原料としては珍しい「裸麦」を使っている点も個性的。一般的な焼酎にはビールの原料でもある二条麦が使用されますが、裸麦はデンプンが少なく精麦歩合は65%に留まっています。
2000年(平成12年)に四ツ谷酒造を継いだ5代目が、そんな効率の悪い裸麦の原酒を蔵に寝かせておいたところ、見事10,000Lの「兼八」に化けたということです。
シンプルだけど奇をてらわない、直球ラベルにも好感が持てます。
SNSの普及により、次々に登場しては手に入らなくなる「プレミアム焼酎」。いま話題のおすすめプレミアムは、次の2銘柄です。
焼酎の製造過程で出る廃棄物を自然に返す「自然循環農法」と、手間のかかる木桶仕込みにこだわる農業生産法人「蘇る大地の会」を運営している黒木本店の看板銘柄。
1985年(昭和60年)の発売で、ドラマティックな商品名はコロンビア出身のノーベル賞作家ガブリエル・ガルシア・マルケスの代表作「百年の孤独」にちなんでいます。
インテリジェンス漂うネーミングもさることながら、麦焼酎の人気銘柄である原酒を甕で長期熟成させた深みのある味わいや、ハイセンスなコルクのラベルも従来の焼酎とは一線を画します。
アルコール度数40%と高めながら、焼酎の初心者でもロックで飲めると言われるほどの味わいで、多くのファンに豊かな時間と感動を提供している逸品です。
佐賀県最古の歴史を誇る1688年(元禄元年)創業の老舗酒蔵「窓乃梅酒造」のトップブランド。焼酎は古式蒸留器 「兜窯」を使った常圧蒸留で作られています。
地域創生と復興をコンセプトに、地元で眠る焼酎の名品を発掘する「焼酎ルネサンス」プロジェクトによって生れたのが、ミネラルを豊富に含んだ地下水で割った伝統製法の原酒をシェリー樽で5年以上低温貯蔵した「決戦前夜」です。
スパークリングワインのようなボトルデザインが特徴的な長期熟成型の麦焼酎で、マイルドな味わいとスコッチやバーボンにも匹敵する豊かな香りが人気を集めています。
窓乃梅酒造は、もともと余剰米を活用するために設立された鍋島藩ご用達で、第10代藩・鍋島直正公が名付け親と伝えられている由緒ある酒蔵。
現在清酒は年間360kL、焼酎は160kLを製造し、その製品はJR九州のクルーズトレイン「七ツ星」にも採用されています。
1893年(明治26年)創業の以来、焼酎の専門蔵として黒麹の焼酎を製造している西吉田酒造の壺入り商品。
アルコール度数は40度と高めながら、雑味のない減圧蒸留と長期熟成によるライトで落ち着きのある味わいが特徴で、その品質は製造責任者とブレンド責任者によって厳しく管理されています。
大気圧で蒸留された麦焼酎はカラメル香が強くなるのに対し、減圧蒸留では原料の持つフルーティーな香りが引き出されます。
内容量は1,800mlと、たっぷり5,000mlの2タイプ。八女の職人が1本ずつ手作りした竹柄杓で汲み出しながら、雰囲気も一緒に楽しめるところも人気のポイントです。
素朴な風合いで愛好家からも高く評価されている「一の瀬焼」は、今から400年前に豊臣秀吉の朝鮮出兵でもたらされた伝統工芸品として知られています。
かつて江戸幕府の天領として栄え、独自の文化を育んできた大分県日田市の「老松酒造」は、1789年(江戸 寛政元年)創業の蔵元で、焼酎の製造は1970年代からです。
県下随一を誇る名水の地で、220年の伝統を守りつつ、常に革新を続けてきた老舗が掲げるコンセプトは、「世界がアッという」焼酎。
「長期樽貯蔵焼酎」の専門蔵として、麹はもちろん貯蔵用の樽にも強いこだわりを持っています。
老舗の酒蔵に住むという人智を超えた存在を閻魔大王に見立て、真っ赤なラベルで登場した「閻魔」シリーズは、数々の名だたるアワードにも輝く人気銘柄。
県下屈指の名水と厳選された麦を原料に、5年貯蔵の原酒と25年以上の長期熟成を経た原酒とをブレンドしたのが「極上」と呼ばれる閻魔です。
まろやかなコクと芳醇な樽の風味、ふくよかな余韻が感じられる長期貯蔵麦焼酎の逸品です。
「いつも感謝」の文字入りで、父の日や誕生日のギフトに大人気。サイズも手頃な四合徳利(しごうとっくり)です。
日本名水百選のひとつ「雄町の冷泉」の地に所在する老舗「宮下酒造」が、地元岡山県産の二条大麦(おうみゆたか)を100%原料に使って仕上げた本格麦焼酎は、スッキリとした飲み口が特徴。
麦焼酎の醍醐味である麦の風味と後味の良さが感じられ、ロックからお湯割りまで色々に楽しめる飲みやすさに定評があります。
落ち着きのある黒美濃焼は、見た目がスタイリッシュで高級感があるだけでなく、遠赤外線を放射して焼酎をまろやかにする働きもあるそうです。
初めて我が子と対面した世の父親の多くは、健やかな成長を願って「大きくなったら一緒にお酒を飲みたい」と思うのだとか。
普段なかなか伝えられない感謝の気持ちと一緒に、おいしい焼酎を贈ってみてはいかがでしょうか。
麹作りにこだわり、麦焼酎の概念を変える味と香りを実現した老舗・老松酒造の主銘柄。主張しすぎないパッケージの上品な佇まいは、贈り物や晴れの席にもピッタリです。
ボトルデザインの美しさにも象徴されているように、4年連続でモンドセレクション最高金賞を受賞した味わいは、高アルコール度のインパクトに加えて驚くほど深く、まろやか。
白麹を使って仕込み、減圧70%・常圧30%のダブル蒸留で出来上がった原酒の半量を5年間熟成させています。
長期熟成によって与えられた琥珀色は、産地やサイズにこだわり抜いたホワイトオークの貯蔵樽に由来します。
「伝兵衛」の商品名には酒造りを伝える者という意味が込められており、この地で初めて麦焼酎を作った人物にちなんで命名されたということです。
たくさん飲んでも悪酔いしにくいと言われる麦焼酎ですが、度数の高さとおいしさから飲み過ぎに注意したい銘柄です。
麦焼酎を最高においしく飲むためのポイントをまとめました。
蒸留酒の中でも特にクセのない麦焼酎は、基本的にどんな料理にも合わせやすいお酒ですが、焼酎が好きな人の中には焼き魚を食べると飲みたくなるという人が多いです。
同じ産地のご当地グルメとは必然的に相性バツグンで、宮崎産なら地鶏焼きや馬刺し、大分産の焼酎にはアジやサバなどの海産物がテッパンです。
キリッととした飲み口には、脂っこい料理でぼやけた味覚を洗い流してくれる効果もあるので、揚げ物やギョウザなどにもおすすめ。焼き鳥なら「塩」でほぼ決まりでしょう。
焼酎は飲み方によっても味わいが変わり、評価は好みによって分かれます。それぞれの飲み方のポイントを以下でご紹介します。麦焼酎のメーカーが勧める飲み方も参考にしてください。
・ストレート……冷凍庫で冷やして飲むと銘柄ごとの自然な味わいが感じられます。ロックに移行する場合は、氷をあらかじめ焼酎で軽く洗うと焼酎の繊細な香りを楽しむことができます。
アルコール度数が高い銘柄は、少量の水を加えることで口当たりが良くなります。
・水割り……アルコールの度数にもよりますが、濃いめの方がおいしく感じられます。お好みで「5:5」を限度に試してみてください。氷の表面に霜が付いていると、香りに影響することがあります。
軟水で割るとインパクトが和らいでスキッとした口当たり。硬水で割るとやや甘味が強くなります。氷と水の質を合わせるのもおいしくなるポイントです。
・ソーダ割り……酎ハイでもおなじみの飲み方で、焼酎の甘味が引き出されるのが特徴です。
焼酎の発酵に欠かせない黒麹や白麹は、日本酒の黄麹とは異なり製造過程で大量のクエン酸を作るため、クエン酸の原料としても知られています。
そのせいか酸味の強いフルーツや柑橘系との愛称が良く、大分県では特産の「カボス」を入れて飲むのが主流です。口当たりが良いので飲み過ぎに注意しましょう。
・お湯割り……常圧蒸留タイプなら85度以上の高温で、減圧タイプは60度前後で。焼酎は蒸留された温度に近いお湯で割るとおいしくなります。先にお湯を入れたグラスに焼酎を加えると良い香りが立ちます。
おすすめの本格麦焼酎について紹介しました。麦焼酎は、製造過程の「種麹のタイプ・蒸留法・貯蔵方法と期間」によって味が変化します。
長い歴史と複雑な成り立ちをもつ酒文化の例にもれず、焼酎も製法や原料によってタイプはさまざまですが、同じ原料の蒸留酒でも味わいが違ったり、ウイスキーのような焼酎ができ上がる理由がお分かり頂けたでしょうか。
70年代の「お湯割り」ブームや、80年代の「チューハイ」ブームに続いて「第3次焼酎ブーム」と言われたのが平成初期。そこからさらに世代が変わり、全く新しい感覚の「麦」が焼酎の市場を席巻するようになりました。
旨いと評判の高級銘柄を選べばおいしさが分かるものでもないので、始めは水割やソーダなどの割り材で料理に合わせてみてください。
低カロリーでヘルシーなところも焼酎の魅力です。酒蔵が丹精込めたスピリッツを、ぜひ毎日の生活に取り入れてみてくださいね。