料理のプロにも昔から愛用されている鉄のフライパン。料理の得意な人にもそうでない人にも、ぜひおすすめしたい調理器具のひとつです。テフロン加工のフライパンしか使った...
中村史恵
テレビ通販で美容食を購入し、そこから美容食にどハマり。美容食使用歴10年の40代主婦です。美容食に関するレビューや記事執筆などのお仕事依頼を受託していて、美容食アドバイザーともいわれています。
プロフィール詳細へ>>料理のプロにも昔から愛用されている鉄のフライパン。料理の得意な人にもそうでない人にも、ぜひおすすめしたい調理器具のひとつです。
テフロン加工のフライパンしか使ったことがない人には鉄のフライパンは重いし食材が焦げ付きそう、などの心配があるようですが、使い方のポイントを押さえればそのような心配は無用です。
むしろ料理が楽しく、料理上手になれる調理器具なのです。持っているけど使いこなせていないという人も、この記事を読んだらきっと鉄のフライパンが好きになりますよ。
ママアイテム編集部
鉄製のフライパンにもさまざまなタイプのものがあります。調理する量や調理方法に合わせた形状、重さをポイントに見ていきましょう。
家庭での使用に適しているサイズは直径16cmから28cmのものが多いようです。フライパンを使うコンロのサイズをチェックしておきましょう。また、オーブンに入れて使いたい場合は、柄の長さも含めてオーブンのサイズをチェックしておく必要があります。
家族の人数や用途によっても、サイズの選び方は変わってきます。一度にたくさんの食材を調理したい場合には、2628cmフライパンがあると便利です。12人分の調理やお弁当用には1618cm、副菜用なら20cm前後のフライパン、など食材の量に合わせて選ぶと良いでしょう。
また、スキレットなどの小さいサイズのフライパンは、調理後にそのままテーブルに出すことができるので、一人分ずつ熱々のままの料理を楽しむことができます。
ほとんどのフライパンには柄が付いていますが、柄のついていないタイプのものもあります。商品によって取り外し可能な柄が別売りされているものもあります。
柄が付いていないフライパンの利点は、収納時に邪魔になりがちな柄が付いていないので、フライパンの直径に合わせた場所に収納できることです。オーブンに入れる際にも柄付きの物よりサイズの大きいフライパンを使うことができます。
また、木製の柄が付いているとオーブンに入れて使うことはできませんが、フライパン一体型の鉄製の柄が付いているものはオーブンでの使用ができます。しかし、サイズによってはオーブンに入れるには、柄が邪魔になることがあります。
使用目的に合わせて、柄のついていないフライパンも選択肢に入れてみるのも良いでしょう。
鉄製のフライパンは他の材質よりも重くなるので、自分が持てる重さかどうかを確認しましょう。フライパンの直径が大きく、厚みがあるほど重くなります。
実際に店頭などで手にして重さを確認するのがおすすめです。棚からの出し入れ、食材を入れた時に持ち上げられるか、フライパンを洗うときなどの使用状況を想像してみるとよいでしょう。
せっかくの鉄製フライパンも重さが原因で使わなくなってしまってはもったいないですよね。まずは小さいサイズを購入して使ってみてから、大きいサイズを買い足すというのもよいでしょう。
鉄製フライパンは、さまざまなメーカーから販売されていますが、ここでは人気のメーカー2社をご紹介します。
『良い道具は、使い手の生活の質を向上させ、人生をより豊かにするきっかけにもなり得るものだ。』との思いから設立された、鉄製を中心にフライパンを製造販売しているメーカーです。
鉄(鋼板)への強いこだわりを持ち、リバーライト社が独自に開発した窒化処理技術により軽く熱伝導率の高い、丈夫で錆びにくいというのが人気の秘密です。
新潟県三条市にある、フライパンや鍋などの金属製キッチン用品などを中心に製造するメーカーです。
『お客様の声を大切に、既成概念にとらわれない独創的な製品を』をモットーにしたパール金属の鉄製フライパンは、魚焼きグリルやオーブンで使えるタイプもある丈夫で使いやすいフライパンです。
鉄製フライパンは、メーカーによって厚みが違うため、重さもそれぞれに違いがあります。また、使用目的によって必要な大きさも異なります。IH対応かどうかもチェックしましょう。
鉄フライパンの一番人気はやはりリバーライト「極 フライパン」です。特殊な窒化処理技術により、一般のものよりも錆びにくくお手入れがかんたんになった鉄製フライパンです。
リバーライトの「極フライパン」はサイズが16cmから2cm刻みで28cmのものまであります。ここでは人気の28cmのフライパンの重さとサイズをご紹介しています。
リバーライトの極フライパンの人気の理由は、窒化処理技術により、鉄製にもかかわらず錆びにくくお手入れがかんたんだということです。
一般的な鉄のフライパンは、使用後に洗ったら火にかけて水分を飛ばし、薄く油を塗って油膜を保つ必要があります。そのようなお手入れをしないと鉄の性質上、錆びやすくなるからです。
一方で、リバーライトの極フライパンは、使用後にお湯でタワシ使って汚れを落とし、サッと水気を拭き取るだけでお手入れ完了というかんたんさです。
IH調理器にも対応しています。IHで使用する際にも、熱伝導率が高いので、野菜炒めもシャキッと、鶏肉やハンバーグも外側カリッと中はジューシーに仕上がります。また、ハンドル(柄)は木製の握りやすい太さで、もし劣化しても自分でかんたんに交換できます。
お手入れはかんたんなのに鉄製フライパンの長所はそのままなので、家庭での利用からプロにも愛用されているというのも納得のフライパンです。
鉄のフライパンは強火で使用することができ、熱の伝導率が高いのが特徴です。食材の水分を失わずに表面をカリッと香ばしく焼き、中はふんわりと仕上げることができます。もちろんIH調理器でも同じように使える、おすすめの商品をご紹介します。
パール金属の鉄職人は、持ち手(柄)まで鉄製の本格的なフライパンです。18cmから2cm刻みで28cmまであり、ここでは28cmの商品の重さとサイズをご紹介しています。
長い持ち手は、炒め物の調理の際にもフライパを大きくゆするのにも、取り扱いがしやすい長さです。金属製で熱くなりやすいので、鍋つかみを使ったり布でカバーして使う必要があります。
丈夫で見た目も本格的なフライパンは、キャンプなどのアウトドアから炒め物や目玉焼きなどの日常使いだけでなく、特別な日のステーキを焼く時にも活躍してくれます。
シンプルで使い勝手のよいデザインが人気の柳宗理のフライパンです。18cm、22cm、25cmの3サイズがあり、ここでは25cmの商品の重さとサイズをご紹介しています。
注ぎ口が左右についているので、左効き右利きのどちらの人にも使いやすいデザインです。専用の蓋は、注ぎ口を塞ぐ形になっているのでフライパンを全て覆うことができ、蓋をずらすと隙間ができるので蒸気を逃すことができます。
材質には、フライパンなどを作るために開発された「ブルーテンパ材」を使用しているため、錆びにくく耐久性があります。さらにファイバーライン加工とういうフライパン表面の特殊加工により、油馴染みがよくこびりつきにくくなっており、フライパンの扱いが楽になっています。
岩鋳(いわちゅう)は、伝統を守りながらも生活に溶け込むデザイン性の高い商品を作り続け、世界各国で愛用されているブランドです。
蓄熱性の高い「鋳鉄(ちゅうてつ)」製のフライパンは、油馴染みが良く、熱が均一に広がり焦げや焼きムラができにくいという特徴があります。握り手は放熱しやすいように中心部がくり抜かれています。
岩鋳のオムレットは、フライパンの厚みがあるため熱がゆっくりと広がります。また、前方が深いのでオムレツの形を整えやすく、きれいに焼きあがると評判です。
小さくても重さがあり安定しているので、炒め物よりも12人分のオムレツやステーキ、ハンバーグなどを焼くのに適しているようです。
ドイツ製。18cmから2cm刻みで32cmまであります。
50年前の製法を守り続けている、見た目は武骨ですが本格的なフライパンです。鉄の塊を高温で熱し、熟練の職人の手で何度も打ち付けられフライパンの形にしていきます。持ち手まで一体型で丈夫なので、使い続けるほどの愛着の湧くフライパンです。
蓄熱性がよくとても丈夫なので、アウトドアでも使えます。短時間で食材の中まで火を通し、表面には程よい焦げ目をつけることができるので、シンプルな料理もおいしく本格的に仕上げることができます。
普段テフロン加工などの軽量タイプのフライパンを使っていると、鉄のフライパンはとても重く感じるようです。フライパンの重さが気になる女性にも扱いやすい、軽い鉄製フライパンをご紹介します。
池永鉄工は、鉄の器をはじめとした生活用品を作る大阪のメーカーです。17cm、21cm、25cmの3サイズがあります。
フライパンの厚さを2mmまで薄くしたものなので、大きさの割に軽くなっています。鉄板を成形したものではなく、溶かした鉄を型に流して作られているので変形しにくいフライパンです。また、熱を逃しにくいので、弱火で調理することができます。
鉄製ですが、ゴツゴツしていないきれいなデザインなので、他のキッチン用品とも相性が良さそうです。フライパンのフチが外側へ広がっていなくて深いので、炒め物も外に飛び散りにくく、いろいろな食材の調理ができる万能なフライパンです。
フランス製。サイズは20cm、22cm、24cm、26cmがあります。
デバイヤー(de BUYER)はフランスの老舗調理器具メーカーです。熟練職人が作るこのフライパンは、長年一流レストランのシェフたちにも愛用されています。
デバイヤーにはいくつかのシリーズがありますが、これは薄型軽量タイプの「リオネーズ」シリーズになります。フライパンの厚みが11.2ととても薄く軽いのが特徴です。鉄製でこの軽さは女性にはうれしい商品です。
とても薄いのでフライパンが早く温まります。また、片手でゆすることができる軽さなので、忙しい朝の食事の準備がてきぱきとはかどりそうです。軽く焦げ目をつけたいときにも食材の水分を必要以上に失わずに仕上げられるので、一本持っていると便利な一生使えるフライパンです。
せっかく作った料理は熱々のうちに頂きたいですね。そのためには、料理を盛り付けるお皿を温めておくという方法もありますが、調理した料理をフライパンに入れたままテーブルに出せれば、鉄の蓄熱効果で料理も冷めにくくおいしいうちに頂くことができます。そんなおすすめのフライパンをご紹介します。
サイズ展開が豊富なこのシリーズは持ち手をはずすことができるので、大小サイズ違いのフライパンも重ねて収納することができます。丈夫なので薪や炭を使うキャンプの際にもいくつか持っていくと、大きな鉄板よりも扱いやすく重宝するはずです。
もちろん家庭のオーブンやグリルにも使えるので、熱々のうちに頂きたいステーキやフライパン底のお焦げがおいしいパエリアなど、そのままテーブルに出すことができるのでいくつも用意したくなるフライパンです。
ダッチオーブンで有名なアメリカの鋳鉄調理器具メーカー、ロッジ社の製品です。
このスキレットは十分な厚みがあるため、じっくりと火を通したい料理にも適しています。また、このサイズは一人分のベーコンエッグやハンバーグなどにちょうど良い大きさで、熱々の状態でテーブルに出すことができます。
アヒージョなどの小さなおかずにもぴったりです。使うほどに手入れば楽になるので、キャンプだけでなく、ぜひ家庭でも使いこなしたいですね。
魚焼きグリルでオーブンよりも短時間で調理することができます。高温でむらなく火が通せるので、別売りの蓋を使って食材の中まで火を通し、仕上げに蓋を外して焦げ目を付ければすぐにテーブルに出すことができます。グリルにお任せしている間に他のおかずを作れるので、時間のない日にも重宝します。
グリルパンの両端に取っ手がついているので持ち運びがしやすく、テーブルの上では邪魔になりません。お気に入りの布やランチョンマットを折り重ねて鍋敷き替わりにすれば、ちょっと洒落た雰囲気になりますね。
注ぎ口が二つ付いている、やや深めのフライパンなのでソース作りに最適です。
直火だけでなくオーブンにも使えるので、一人分のグラタンやハンバーグを作ってそのままテーブルへ出すことができます。深さがあるのを生かして、煮込みハンバーグやオニオングラタンスープなど、汁気のあるものにも向いています。
小さめのサイズなので、ひとつだけでなくいくつか並べてテーブルに出すとかわいいですね。蓄熱性があるので料理の温かさを保てます。ホームパーティーでも喜ばれそうですね。
鉄製フライパンはとても魅力的だけど、鉄だから錆びたり焦げ付いたり、お手入れが面倒なのでは、と気になることがいろいろあるかもしれません。よくある疑問にお答えします。
まずは「油ならし」から始めましょう。
フライパンをお湯で洗います。水気を布巾などで拭き取ったら、油をフライパンの3分の1ほど入れて火にかけます。弱火で5分ほど温めたら火を止めて、油をオイルポットなどに移します。キッチンペーパーなどで油をまんべんなくすり込みます。
さらに中火で野菜くずなどを炒めて、フライパンに油をしっかりと馴染ませます。
「油返し」と「洗浄」「油の塗布」が大切です。
油返し:調理の前にフライパンを中火で充分に温めます。お玉一杯の油をフライパンに入れ、全体に油をなじませます。油が熱くなったら油をオイルポットに移します。使い始めの数回はこの作業をしますが、フライパンに充分に油がなじんだら省略してかまいません。
洗浄:フライパンを使い終わったら洗剤を使わずにお湯で洗います。このとき洗剤を使うと、せっかくなじんだ油の膜が取れてしまいます。タワシでゴシゴシこすっても大丈夫です。洗浄後フライパンの水気を拭き取ります。
油の塗布:洗ったフライパンを火にかけ空焚きして水分を完全に飛ばします。火を止めてクッキングペーパーなどで油を塗りこみます。
調理の前にフライパンを充分に熱し(フライパンから煙が出ない程度)、油をいれてフライパンに油をなじませます。火加減も大切です。鉄のフライパンは高温に熱しても大丈夫ですが、蓄熱性が高いので調理の際は弱火中火にしましょう。強火で調理をすると焦げ付きやすくなります。
調理後は食材を入れたままにしないで、フライパンが温かいうちにお湯で汚れを洗い流します。とくに焦げ付いたところはしっかり落として完全に乾かします。
鉄製フライパンはその名の通り鉄でできています。ステンレス製は、鉄にクロム・ニッケルなどの元素を加えた合金鋼でできています。テフロン加工は、アルミやステンレスをベースにフッ素樹脂(テフロン)をコーティングしたものです。
テフロン加工は長く使ううちに剥がれて食材がこびりつきやすくなります。一般的には2年前後での買い替えが必要になります。鉄製やステンレス製のフライパンはきちんと手入れをすれば長く使えます。
鉄分を補給できると言われています。鉄鋳物は調理するたびに鉄が染み出てきて、鉄イオンという形で自然に鉄分を補給できると言われています。
鉄製フライパンの魅力は充分に伝わりましたでしょうか。
熱伝導率・蓄熱性が高く、丈夫で長持ち。金属のフライ返しやタワシでゴシゴシこすっても大丈夫。食材の中心の水分を保ちつつ表面に香ばしい焼き目を付けることができる。鉄分を少しずつ自然に補給できる。とても優秀なフライパンですね。まずはひとつ使ってみるのはいかがでしょうか。
使い始めは少し手が掛かるように感じるかもしれませんが、慣れるとその作業も楽しく、油が充分になじんだ鉄のフライパンは黒光りするようになります。きっと愛着の湧く道具となりますよ。