耳で測る体温計「耳式体温計」について、詳しい人におすすめを聞いてきました。センサーで鼓膜周辺の温度を測る耳式体温計は、1~2秒という短時間で測定が終わるのが一番...
中村史恵
テレビ通販で美容食を購入し、そこから美容食にどハマり。美容食使用歴10年の40代主婦です。美容食に関するレビューや記事執筆などのお仕事依頼を受託していて、美容食アドバイザーともいわれています。
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耳で測る体温計「耳式体温計」について、詳しい人におすすめを聞いてきました。
センサーで鼓膜周辺の温度を測る耳式体温計は、1~2秒という短時間で測定が終わるのが一番の特徴です。
保育園・幼稚園の登園前の検温はもちろん、日々の健康管理にもさっと測れるのでとても便利。
最近では、耳だけでなくおでこで測れたり、湯の温度が測れたりとさまざまな機能のものが市販されています。
乳幼児用として紹介されることが多い耳式体温計ですが、今回はペット用もあわせて計10選ピックアップしました。
耳と脇の体温の違いや正しい使い方も解説していますよ。
ママアイテム編集部
耳式体温計を選ぶ際に注目してほしいポイントは、耳で測る以外の機能。ただ耳で検温できるという以外に、いろいろな特徴があります。今回は、おすすめの選び方として3つのポイントをピックアップしました。
耳式体温計には、耳で体温を測るだけでなく、おでこに当てることで検温できるものがあります。
そもそも、耳式体温計は、皮膚の表面から放射されるわずかな赤外線の熱量をセンサーで測定し、体温を出しています。この「赤外線熱量を測定する」という仕組みをおでこでも使えるようにしたものがあるのです。
赤ちゃんが耳を触られるのを嫌がることもあるので、額でも測れるととても便利。複数の測り方ができるので、利便性がぐっと上がります。
測定部位が選べるだけでなく、人の体温以外のものが測れる耳式体温計もあります。沐浴で使う湯の温度やミルクの温度が測れるタイプです。
ベビーバスを使う時期は低月齢の間だけですし、ミルクもいずれは卒乳時期を迎えます。期間限定のこととはいえ、何かと気を遣うミルクや風呂の温度が体温計で測れるのは一石二鳥!特別なものを用意せずに済むのも、手間が省けて助かりますよね。
耳式体温計には、ペット用のものもあります。人間同様、犬も体温が健康のバロメータ。発熱は、体のどこかに異常や疾患が疑われます。そのため、日ごろから犬の体温を知っておくことはとても重要なのだとか。
動物病院などでは、直腸で測ることもある犬の体温ですが、自宅で検温するのであれば耳式体温計が便利です。赤ちゃんと同じように、警戒心が強くなかなかじっとしてくれないペットも簡単に測ることができます。
耳式体温計を紹介するにあたって、まずはおすすめのメーカー・ブランドから解説しましょう。後ほど紹介する商品には、以下の3社のものも含まれていますよ。
日本を代表する大手電子機器メーカーの「オムロン株式会社」。体温計といえばオムロンを思い浮かべる人が多いように、健康医療機器メーカーとしては日本の定番企業です。家庭で計測した情報が日々の健康に役立つという「ホームメディカルケア」を推進しています。
哺乳瓶メーカーとしてよく知られる「ピジョン株式会社」は、マタニティ用品から、出産・産後に使えるグッズやベビー用品など、赤ちゃんとママに関する総合メーカー。「pigeon」とは、「鳩」を意味する言葉で、平和のシンボルでもある鳩に赤ちゃんの幸せへの祈りを込めています。
「暮らしをデザインする」のことばを掲げるドリテック。デジタルスケールやタイマー、電気ケトルといったキッチン用品をはじめ、体重計・血圧計・体温計といったヘルスケア用品、さらにはライフスタイルグッズまで幅広い商品展開を行っています。
今回おすすめとしてピックアップした商品をよりわかりやすく紹介するために、以下の4つの項目を記載しています。購入の参考にしてみてください。
今回、編集部が最もおすすめするのは、オムロン社の耳式体温計です。体温計メーカーとしてはよく知られたメーカーだけに、購入者評価も高い一品となっています。まずはこちらから紹介しましょう。
オムロンの「けんおんくんミミ」は、センサーを備えた「プローブ」部分を耳に入れてからわずか1秒で計測が可能。赤ちゃんが嫌がる間もなく、さっと検温することができるのがひとつめの特徴です。
耳式体温計は、耳の中でも最も温度が高いとされる「鼓膜」の温度を赤外線センサーで測るのが一般的な仕組みです。そのため、鼓膜の位置・方向をしっかりととらえていないと、実際よりも低い体温を計測してしまう懸念もあります。
オムロンの「けんおんくんミミ」は、鼓膜の方向が分からないときでも安心な「ぴったりセンシング機能」を搭載。測定中の最も高い温度を記憶する仕組みになっているので、鼓膜がわかりづらい時は耳の中で本体を左右に動かすことで、一番高い鼓膜の温度をとらえてくれます。
短時間で検温が済むことはもちろん、手のひらにぴったり収まるようなサイズ設計も使いやすさの秘密。専用の収納ケースつきなので、保管も便利です。購入者レビューでは、「簡単に測れる」「朝の忙しい時などでも待たなくてよいのでストレスになりません」と使い勝手の良さがうかがえました。
一方で、操作がボタンひとつという点に関して「一見使いやすいように見えるが使い方が複雑」というレビューも。直感的に使うというよりは、使い始めに説明書をよく読み、正しい検温方法をマスターする必要がありそうです。
健康のバロメータとして重要な検温結果は、正確性が大切です。登園や予防接種前の検温はなおさら、わずかな誤差に左右されることもありますよね。
耳式体温計は、鼓膜のとらえ方によってうまく測れないケースも懸念されますが、中でも正確性には期待が持てる4選を紹介します。
約1秒で計測可能なピジョンの「耳チビオン」は、ベビー用品メーカーだけに新生児期の赤ちゃんをはじめ、多くのママに人気の耳式体温計。コロンとした丸みを帯びたフォルムは、かわいらしいだけでなく、鉛筆のようにしっかりと持ちやすいのも特徴です。
本体にはあらかじめ赤外線センサーのついているプローブ部分のカバーが1個ついていますが、さらに付け替え用の予備が5個ついているのもピジョン製の大きなポイント。破損や汚損でカバーが使えなくなった場合でも、さっと付け替えることで正しく検温ができます。
購入者からは、「一瞬で測れるので重宝しています」「嫌がることもなく、手軽に検温できます」と好評の声が集まっていました。一方、正しく測るためにはコツがいるとの声も多く、検温時の誤差を指摘するレビューもあります。
そのため、「1回につき2~3度測定して平均値をとる」という人や「毎日の体温感覚」をつかむために使用しているという人など、使い方に工夫して活用している人が見られました。
ベビー用品を幅広く手掛けるコンビ株式会社の耳式体温計「ベビーレーベル耳式たいおん計」は、赤ちゃんの耳にもぴったりとフィットする小さな挿入口が特徴。直径5.9mmなので、小さな耳でも無理なくスムーズに検温が可能です。
赤ちゃんに多いのが夜間の急な発熱。こちらは、バックライト付きなので暗い寝室でもそっと検温ができます。「熱があるかも……」と思った時に、寝ている赤ちゃんを起こさずにさっと測れるのはうれしいポイントですよね。
他にも、37.5℃超えたらお知らせしてくれるアラーム機能、平熱を知るのに役立つメモリー機能など、細かい便利機能が多いのも「ベビーレーベル耳式たいおん計」の特徴。専用ケース付きなので、衛生的に保管できるのもうれしいですね。
腕時計メーカーとして有名なシチズン(CITIZEN)。そのグループ会社であるシチズン・システムズ株式会社が手掛ける耳式体温計。一番の特徴は、測定値をライトのカラーで知らせてくれる機能です。
数値表示画面のバックライトのカラーが、37.5℃以上の場合には赤色、37.5℃未満の場合は緑色に点灯します。視覚効果によって、登園・登校前の検温でも発熱の有無がわかりやすいのが特徴です。メモリー機能もあるので、平熱を把握し健康管理にも役立てられますよ。
また、耳式体温計の多くが、赤外線センターの「プローブ」部分にカバーを採用していますが、シチズンの耳式体温計はカバーが不要。手間もなく、抗菌仕様になっているので、安心して使えます。
体温計もかわいいデザインのものがほしいという人におすすめなのが、サンリオのハローキティデザインの耳式体温計。小さい子どもが使用することの多い耳式体温計なので、ハローキティもベイビースタイルなのが特徴です。
ちょこんと座ったハローキティと、スタイをつけて寝転ぶダニエルの2つの絵柄は、ハローキティファンでなくとも目を惹くデザイン。かわいいキャラクターが目に留まれば、子供も嫌がらずに耳元に近づけさせてくれそうですね。
機能面では、先に紹介したオムロン社の耳式体温計同様、最も高いとされる温度を記憶し、測定値として出す「ぴったりセンシング機能」を搭載。耳の中で最も高いとされる鼓膜の温度をしっかりとらえてくれるので、測り方に自信がない人でも安心です。
次に紹介するのは、耳以外でも検温が可能な体温計2選。耳だけでなく、状況に応じて使い分けたいという多機能派のママにはとくにおすすめですよ。
耳だけでなく、おでこの温度も検出可能な赤外線体温計。額は、あくまでも「表面の参考温度を測定するための機能」とのことですが、ちょっと様子がおかしい……と思った時にさっと確認できるのはとても便利です。
額の温度は、非接触式で、かざすだけでいいのもポイント。耳ではかるよりもずっと簡単です。また、耳で測る場合でも、1秒で結果が表示されるので赤ちゃんが嫌がる間もなく検温できます。
大きめの画面もJUMPERの特徴で、検温が完了するとバックライトを点灯して結果を表示。音だけでなく、見た目にもわかりやすい仕様になっています。過去の測定値を記憶するメモリー機能もついているので、赤ちゃんの健康管理にもおすすめです。
オートパワーオフ機能つきなので、測った後はそのまま放置でOK。忙しい登園・登校前の検温にも役立つ1本です。
原沢製薬工業は、医薬品や医療機器から、健康食品や化粧品まで幅広く手掛けるメーカーで、創業は大正8年という老舗企業。その原沢製薬工業が手掛けるのが、赤外線体温計の「ファミドック」です。
耳と皮膚の両方で測定が可能なのが一番の特徴で、皮膚の温度を測る際にはカバーをつけたままぴったりと接触させます。耳で体温を測る際には、カバーを取り外し優しく耳に挿入。いずれも約1秒と短時間で、スイッチひとつの簡単操作で検温終了です。
ファミドック専用の「スタンド」が付属しているのも特徴のひとつで、立てたまま保管ができ、使いたい時に、さっと手にとれます。ケースを開ける手間もなく、またどこに置いたか見失うこともないので、保管時にも大変便利です。
おでこでも計測可能な耳式体温計を紹介しましたが、次に紹介するのは物体の温度の計測にも使える体温計です。体温だけでなく活用シーンが広がるので、子どもが大きくなってからも重宝しますよ。
耳でも額でも計測可能なドリテックの赤外線体温計は、「体温計モード」と「物体表面モード」の2つのモードが特徴です。まず「体温計モード」では、カバーをつけたまま額で、カバーを外して耳で検温できます。
汗をかいていたり、額にひんやりシートを貼っていた場合には、額ではなく耳での検温がおすすめです。なお、外気の影響を受けやすい額と耳では、体温に差がでることも多いのだとか。額・耳の両方の平熱を知っておくと、発熱時に役立ちますよ。
一方の「物体表面モード」は、ミルクや風呂の温度が知りたい時に便利です。赤ちゃんの世話にはもちろん、高齢者介護のシーンでも湯の温度を調整するシーンは多々あります。多機能で幅広い活用ができるので、一家に一本あると重宝する赤外線体温計です。
最後に紹介するのはペット用の体温計。人間同様、ペットの体調管理にも体温計は欠かせません。
赤ちゃんよりもずっと敏感な動物は、耳に触れられるだけで警戒してしまうこともあります。そういう犬や猫でも安心して使用できるのがこちらの「ペットの体温計」です。
非接触型なので、ペットの耳の中に体温計を挿入する必要はありません。外耳道(耳の中)に体温計を向けるだけで検温が可能です。ペットが寝ている時でもOKなので、使い勝手も抜群です。音に敏感に反応するようであれば、操作音をオフにすることもできますよ。
また、体温を測るだけでなく、表面温度モードで液体の温度を測ることも可能。購入者レビューでは、「瞬時に測定できるので便利」「安心して、大切なワンちゃんに」と人気を集めています。ただし、日本語の説明書がないようなのでその点は注意が必要かもしれませんね。
人間用の耳式体温計の開発者であるフレーデン博士によって開発されたという「Pet-Temp」。赤ちゃんがいる家庭で耳式体温計が重宝されているように、ペット用の耳式体温計も多くの飼い主に高い評価を得ています。
購入者レビューでは、「1秒で計測できるのは、犬も飼い主も楽で助かります」「簡単でした」「猫もストレスを感じる間もなかった」と好意的なレビューが目立ちました。
検温時に毎回レンズカバーを取り換えることで、汚れや耳垢から本体を守ることができるので、衛生的に使うことができます。購入者レビューでは、この専用カバーも同時購入をすすめる声が見られました。
なお、カバーを使いまわしていると、汚れなどが原因で赤外線センサーが鈍る懸念があるのだとか。カバーの付け替えにはコツがいるようですが、都度取り換えることをおすすめします。
耳式体温計をはじめて購入する人が気になるのがその「精度」。脇で測る電子体温計とは何が違うのでしょうか。耳式体温計のよくある疑問について、解説します。
体温計によって多少の操作手順の違いはありますが、耳式体温計はセンサーが鼓膜をとらえられるように、鼓膜に向けてしっかりと挿入するのが一番のポイントです。耳に入れたら、そのまま体温計が動かないように気を付けながら、スイッチを押して検温を開始。測定完了の操作音が鳴ったら完了です。
なお、飲食後や入浴、運動の後30分間は、体温を測るのには適さないといわれています。外出後30分間も避けたほうが良いでしょう。また、先端部分に使用する専用カバーがある場合には、正しく装着したうえで測ることも大切です。
耳式体温計でも、安定した体温の測定が可能です。耳式体温計が検知する耳の中や鼓膜周辺の温度は「耳内温」とも呼ばれますが、これは体の内部の体温を反映しているとされています。そのため、安定した体温を測ることができるといえるでしょう。
ただし、体温計の先端(プローブ部分)がしっかりと鼓膜周辺の温度をとらえてくれないと、測定した体温も実際とは異なるものになる懸念はあります。挿入の向きや深さなど、最初はコツがいるかもしれませんが、説明書をよく読み正しく使用するようにしましょう。
結論から言うと、耳と脇の温度は異なります。そもそも、人の体は中心に向かうほど温度が高いもの。体の末端や表面の温度は、外気温の影響などを受けて変化しやすいので、脳や心臓などの安定した体温を測定するのが理想とされています。
とはいえ、脳や心臓の温度は測れないので、比較的測りやすい耳や脇が利用されているのですが、その部位によっても温度は異なります。耳と脇では、耳のほうが温度が高いという人もいれば、脇のほうが高いという人もいるのだとか。一概にどちらが高いとは言えないようです。
そのため、平熱を管理する場合は、それぞれの部位によって体温が異なるということを理解しておくことが大切。耳式体温計を使う場合は、脇の温度とは別に、耳の体温で平熱をとるようにしましょう。
耳式体温計は、なんといっても測定の速さが特徴です。脇ではかる体温計でも、予測式(温度の上昇具合から最終的な体温を予測して出す方式)なら比較的早く検温できますが、それでも、耳式の1〜2秒には及びません。
耳式体温計は、子どもがじっとしていられる年齢になってからも、一瞬で検温が終わるので重宝します。また、介護の現場でも、高齢者の体に負担をかけることなく健康管理ができるので耳式体温計は活躍しています。家族みんなで使えるものなので、一家に一本あると大変便利ですよ。